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コース立方体テスト(目的、方法、IQ算出、結果の解釈)と、頭頂葉・後頭葉、前頭葉領域障害による取り組み方の違い

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コース立方体テストは、構成障害の程度を評価する際に用いられますが、元々は一般知能(知的の全ての課題に影響する因子)を測定する検査になります。今回、コース立方体テストの結果の解釈と、脳の各領域別の取り組み方の違いについて、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

コース立方体テスト(目的、方法、IQ算出、結果の解釈)と、頭頂葉後頭葉前頭葉領域障害による取り組み方の違い

コース立方体テストの目的

コース立方体テストでは、

一定方向をとりこれを支持する傾向、望まれた目的達成のために順応する能力及び課題解決決定のための自己批判の力である。換言すると、達成しようとする目的意識、即ち構成される図柄を意識し保持する事、この図柄を意識しながら多様の結合を試みる事、これと手本の図柄とを比較して一致しているかどうか判断し形作られた結合を決定することである。

コース立方体組み合わせテスト使用手引き P1

を評価していくことになります。
上記のことから、課題における分析、結合、比較、熟慮、完成、識別、判断、批判、決定のような精神的能力を測定することになります。
テスト所要時間は20分から50分で、平均35分を要します。17種類の模様図と16個の立方体を用い、17の下位テストからなります。所要時間と何番目までできるかを測定し、知能指数を算出します。
またこのテストを通して、構成障害の要素を評価することにも使用されることがあります。

happyhealth.hatenablog.com

実施方法と実施上の注意点

練習を行いますが、その際立方体の各面模様の色の名前を言ってはいけません。
模様図に鉛筆や指などで区切ってその並べ方を教えてはいけません。
練習が1回でできなければ、3回繰り返し、それでもできない場合にはテストを受けることができません。
本テストの際は説明を加えることはできません。
実施中、制限時間内で、もし間違って並べた時には、「この辺がおかしいですね」と指摘しますが、どう並べたらよいかは教えてはいけません。
次の問題に進む時には、並べた積み木をバラバラにする必要があります。

採点方法と知能指数(I.Q.)の算出と平均値

得点

精神年齢

IQ

得点

精神年齢

IQ

得点

精神年齢

IQ

0

5〜3

 

44

11〜8

72

88

14〜11

92

1

5〜7

34

45

11〜9

73

89

15〜0

93

2

6〜0

37

46

11〜10

73

90

15〜0

93

3

6〜3

39

47

11〜11

74

91

15〜1

94

4

6〜6

40

48

12〜0

75

92

15〜2

94

5

6〜9

42

49

12〜1

75

93

15〜3

95

6

7〜0

43

50

12〜2

76

94

15〜4

95

7

7〜3

45

51

12〜3

76

95

15〜5

96

8

7〜6

46

52

12〜4

77

96

15〜6

96

9

7〜8

47

53

12〜5

77

97

15〜7

97

10

7〜10

49

54

12〜6

78

98

15〜8

97

11

8〜0

50

55

12〜7

78

99

15〜9

98

12

8〜2

51

56

12〜8

79

100

15〜10

98

13

8〜4

52

57

12〜9

79

101

15〜11

99

14

8〜5

52

58

12〜10

80

102

16〜0

100

15

8〜7

53

59

12〜10

80

103

16〜1

100

16

8〜9

54

60

12〜11

80

104

16〜2

101

17

8〜10

55

61

13〜0

81

105

16〜3

101

18

9〜0

56

62

13〜1

81

106

16〜4

102

19

9〜1

56

63

13〜2

82

107

16〜5

102

20

9〜3

57

64

13〜3

82

108

16〜7

103

21

9〜4

58

65

13〜4

83

109

16〜8

104

22

9〜6

59

66

13〜5

83

110

16〜9

104

23

9〜8

60

67

13〜6

84

111

16〜10

105

24

9〜9

60

68

13〜6

84

112

16〜11

105

25

9〜11

62

69

13〜7

84

113

17〜1

106

26

10〜1

63

70

13〜8

85

114

17〜2

107

27

10〜2

63

71

13〜9

85

115

17〜4

108

28

10〜3

64

72

13〜9

85

116

17〜5

108

29

10〜4

64

73

13〜10

86

117

17〜6

109

30

10〜5

65

74

13〜11

86

118

17〜8

110

31

10〜7

66

75

14〜0

87

119

17〜9

110

32

10〜8

66

76

14〜1

88

120

17〜10

111

33

10〜9

67

77

14〜1

88

121

18〜0

112

34

10〜10

67

78

14〜2

88

122

18〜2

113

35

10〜11

68

79

14〜3

89

123

18〜3

114

36

11〜0

68

80

14〜4

89

124

18〜5

115

37

11〜1

69

81

14〜5

90

125

18〜7

116

38

11〜2

69

82

14〜6

90

126

18〜9

117

39

11〜3

70

83

14〜7

91

127

18〜11

118

40

11〜4

70

84

14〜7

91

128

19〜1

119

41

11〜5

71

85

14〜8

91

129

19〜3

120

42

11〜6

71

86

14〜9

92

130

19〜7

122

43

11〜7

72

87

14〜10

92

131

19〜11

123

18歳以上の対象者のみ有効となりますが、早見表です。得点からI.Q.がわかるようになっています。
IQの平均値は100で、85から115の間に約68%の人が収まり、70から130の間に約95%の人が収まるといわれています。

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視空間失認とコース立方体テスト

視空間失認がある場合、立方体の色の認知識別は可能ですが、ブロック相互間の空間関係の認知が難しくなります。これは、視空間失認では物事が空間において占める位置、物と物との空間関係に対する認知障害であることによります。

構成障害と左右半球障害の違い

構成障害では、患者は自己にて気づくことは少なく、周囲や検査場面で発見されることが多くなります。
構成障害を見極めるには、コース立方体テストでの時間制限をなくし、見本通りに構成させ、各ブロックの位置と構成の順序を検者が記録していくと特徴がわかりやすくなります。
上記の方法で左右半球障害の違いによる特徴は、右半球障害では、構成の半側の脱落、モデルの半側無視、モデルの左側にあるデザインと右側にあるデザインが混在することが挙げられます。一方、左半球障害では、全体的に構成できるが粗雑、デザインの混乱に右半球障害のような特徴がない、構成の誤りを指摘すると改善できる可能性があることが挙げられます。

高齢者の知能測定

コース立方体テストは、ほとんど言語介入がなくても検査でき、他の知能検査に比べて短時間で行えることもあり、高齢者の知能測定に適用しやすい検査といえます。
このテストは、WAISの動作性検査との相関が高く、言語性検査や全検査との相関が認められており、高齢者の知能検査として有効であることがわかります。
年齢別の結果では高年齢ほど得点減少の傾向がありますが、年代別では有意差はみられないようです。

コース立方体テストの構成要素

コース立方体テストの構成要素には、検査に対する意欲、発動性、手本の予備的視覚的分析、見当付け、全体的図式の作成、具体的な空間的操作、結果と手本の比較と誤りの訂正(自己制御)が含まれています。

頭頂葉後頭葉領域障害による特徴

この領域の患者では、意欲と発動性は保たれ、手本の分析も注意深く行います。また正しい全般的図式の作成も通常可能です。
具体的な空間的操作では、手本を参照しながら誤りには気づいているが、手本に合うように立方体を空間内で定位することができず、模様の直角三角形の直角部分がどの方向を向いているかが把握しずらくなります。結果と手本の比較と誤りの訂正は可能です。
このような場合の代償的補助プログラムとして、

①手本の第1列を見つけなさい。
②手本の第2列以下を紙でかくしなさい。
③第1列の形態はいかなるものですか。
④その形態を描きなさい。
⑤それらの形態には直角(直角三角形の)が含まれています。
⑥直角を手掛かりとして第1列の形態を作りなさい。
⑦各々の直角はどの方向を向いているか決めなさい。
⑧第2列以下も同様にして作りなさい。

コース立方体組み合わせテスト使用手引き P34

というようなものがあります。具体的には、⑦において直角が上下、内外どちらの方向を向いているかを頼りに構成していきます。

前頭葉領域障害による特徴

この領域では、

課題条件、遂行方法に注意を払わず、手本の予備的分析なしに手本の直接的視覚的印象にのみ基いて課題遂行に着手する。従って課題遂行の全般的計画は作成されず、操作は首尾一貫した性格を持たず断片的なものとなる。自己制御に欠け手本との対照は行われず、誤りに気づかず訂正することもない。

コース立方体組み合わせテスト使用手引き P34

というような特徴があります。
具体的には手本を全く見ない、4つでの構成課題を3つで行う(直接的視覚的印象)、手本を参照しない、誤りに気づかないなどがあります。
全般的図式作成の障害と自己制御の低下に元にあるのは、衝動性の亢進と発動性の低下、習慣的に確立されてしまった行為や認知傾向を抑制できず保続しやすいことが影響しています。
このような場合の代償的補助プログラムとして、

①手本をよく見なさい。
②全部でいくつの四角形(立方体)がありますか。
③何列あるか数えなさい
④各列にはそれぞれ何個の四角形がありますか。
⑤必要な数の立方体を取りなさい。
⑥第1列にはいくつ四角形があるか数えなさい。
⑦第1列から始めなさい。
⑧手本と同じ数の立方体で、手本の形態のように立方体を並べなさい。
⑨作り上げた第1列を手本の第1列と比較しなさい。
10第2列にはいくつの四角形があるか数えなさい。
11第2列を第1列の下に接して並べて作りなさい。
12作り上げた第2列を手本の第2列と比較しなさい。
13第1列と第2列が正しい形態をなしているか注意しなさい。
14第3列にはいくつの四角形があるか数えなさい。
15第3列を第2列の下に並べて作りなさい。
16手本と作り上げた形態を比較しなさい。
17作り上げた形態が正しいか正しくないかいいなさい。

コース立方体組み合わせテスト使用手引き P38

があります。1〜4では予備的分析、5〜8、10、11、14、15では形態の構成の順を追った操作の指示、9、12、13、16、17では自己制御の要求に対応しています。
衝動性亢進の場合には予備的分析と自己制御の指示、発動性低下の場合は順を追った操作の指示が必要になります。

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引用・参考文献

コース立方体組み合わせテスト使用手引き