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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

依存症:人間関係嗜癖の特徴とパターン

依存症

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人は、人間関係を柔軟に変化させ、状況に応じた態度や役割をもつことができます。人と人との関係性において、強迫的にそうしていないといられない状態を人間関係嗜癖と呼び、対人関係上トラブルとなることがあります。今回、人間関係嗜癖の特徴とパターンについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

人間関係嗜癖の特徴とパターン

共依存

 共依存とは、アルコール依存症の家族研究から理解された関係性で、アルコール依存症の人の配偶者や親たちが、本人のアルコール問題に巻き込まれていき、本人との関係における境界線を意識できなくなってその関係にのめりこみ、アルコール問題をめぐって”間”のとれない関係が自動化している状態を指して使われ始めた言葉です。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P82

アルコール依存症者の家族全てが共依存状態というわけではありません。アルコール摂取の後の後始末などに関わり、結果として家族が本人の回復を妨げる要因になることがあります。
そのような家族に心理教育から病気についての知識を高め、本人への対応などを工夫しながら関係性を改善させていきます。
しかし、この関係性に気づいても変えられないこともあり、もしくは元々その関係性を求める人がおり、そのようなアディクション嗜癖)を総称して人間関係嗜癖と呼びます。

関係嗜癖

間がとれないには、「常に相手の存在がないと安心できない」(物理的距離)、「すぐに反応がほしい」(時間的距離)、「相手の全てを知っておきたい」「相手が自分と同じ考えを持っているのが当たり前」(心理的距離)などの距離がとれない場合があります。
赤ちゃんと母親の関係性では距離は近く、成長に従い距離をとるようになります。成人においても困りごとがある場合には一時的に相手に寄り添う事もあります。このようなことから、間をとらないこと全てが問題というわけではありません。

 この関係が修正されず、相手が思いどおりになることを自然と考え、極端な干渉や束縛、お膳立て、後始末を行う結果、子どもの成熟を阻害していたり、暴力が発生したりなど、さまざまな支障が出てきてもそれをやめられない状態を「関係嗜癖」といいます。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P83

このような状態が長期間に及んでくると、相手の性格、個性まで別のものだと認められにくくなります。
他者のコントロールをめぐり、両者に暴力が使われることもあり、逆に相手の中に自分を投入して、問題のある相手の状況が自分の状況であるかのように感じられ、その問題に巻き込まれたりすることがあります。
また相手の価値基準で物事を考えて行動し、他者のために生きるといった場合もあります。

世話焼き嗜癖

関係嗜癖の結果生じ、相手を世話することが一方通行になり、それがパターン化する状態です。
他者への世話は、役に立っている感や評価される感覚、必要とされている感覚などの快の気持ちを得られる行為です。その気持ちが求めすぎると、ケアが必要ない人にまでケアをしてトラブルになることや、ケアをしていないと落ち着かない、ケアの必要な人を次々に求めるといった問題が生じやすくなります。
世話焼きは、場合によって子どもの成長は阻んだり、依存傾向のある人にはその問題を進行させるようなことも考えられます。

役割嗜癖

対人関係において、ある役割(常にリーダー役など)をとることが修正できない状態を役割嗜癖といいます。
これが進行すると、自分のパターンとなる役割がとれないと集団にいずらくなったり、その役割を得るために争ったりと、対人関係トラブルのもとになります。
自分に深刻な問題がある場合にも、いつもやってきた役割(楽しませるなど)を降りられなかったり、興味がないにもかかわらず真面目で熱心な姿を崩せないなど、普段の役割と自分本来の状態との差に苦しみ、誤解を招くなどの人間関係のトラブルとなる場合もあります。
とる役割が個性を超えて自動化しているのが役割嗜癖となります。

愛情嗜癖

愛情嗜癖では、常に誰かのそばにいる、誰かと愛情関係を取り続けようとする状態をさします。
必要とされている感覚が根底にあり、自分が誰かを愛している、愛されていると思える感覚や状態により存在価値を得ることに夢中になっていきます。
このようなことが同じパートナーで続くと、相手に求める愛情確認が度を過ぎていくことになります。恋愛の終わりが近づくと、寂しさから連絡を取り続けたりすることがあります。
こうしたことが原因で争いごとが起こったり、トラブルが何度も続いたりするとアディクションとなります。

異性嗜癖

異性嗜癖は、男女として常に異性に認められていないといられない状態をいいます。
異性嗜癖は愛情嗜癖の変形版でもあり、異性のパートナーがいないと自分の存在価値がないと思い、異性を求めて複数人と関係を持ったり、アプローチしようとすることがあります。これらによって対人関係上のトラブルが起こったり、パートナーを傷つけることがあります。
異性嗜癖では不倫が選択されることがあり、関係の終わりに関して、自分の優位性を持つ関係性が必要なため、自分から別れを切り出し不倫を繰り返していく場合があります。

人間関係嗜癖の改善に向けて

前途したパターンには並列して見られることもあり、厳密に区分することは意味がないことになります。
改善に向けては、本人がどの部分が心地良いのか、なぜそれが必要なのか、その背景をなっている嗜癖はどのような要素かといった事を検討していく事が大切になります。

引用・参考文献