自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

リハビリテーションにおける視機能検査の概要と方法

【スポンサーリンク】

リハビリテーションにおいて視野欠損、眼球運動の障害など、視機能に関する知識や検査方法は、ついつい後回しになりがちとなります。そこで今回、視機能に関する知識と、その検査方法について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

リハビリテーションにおける視機能検査の概要と方法

視力

リハビリテーションの場面では、メガネをかけている人には矯正視力を試験するようにします。
ベッドサイドでは、新聞などの文章を30〜40㎝離して読ませるようにします。
視力低下が著しい場合は、眼前30㎝で指の数がわかるかを検査します。このときには、読める最大距離を測定します。
さらに視力低下がある場合、眼前で手を動かし、それがわかるかを確認します。
それ以上の視力低下がある場合、部屋を暗くして光を反復して目に当て、明暗(光覚)を感じることができるかを確認します。

視野

対座法を用います。対座法ではわずかな視野の縮小や、マリオット暗点の拡大などは診断できないため、視野計や定量視野計による正確な検査を行います。
方法
①患者と検者の眼が約80㎝になるように向き合う。
②左の眼を左手で覆わせる。
③右目は検者の左目を見つめさせる。
④検者は両手を前側方に自分の視野いっぱいに広げる(指は垂直に立て、指の位置は患者と検者との中央にあるようにする)。
⑤指を動かし、左右どちらが動いたかを指摘させる(左右で答えるよりも、動いている法を指で示させる)。左右同時に動かしてそれがわかるか(視覚消去現象:はっきりした半盲はないが、対座法で左右の指を同時に動かしたときに一方のみを無視する現象。障害側の視覚が、健側の視覚により消去されるために起こり、軽度な半側空間無視となる)も確認する。
*検査中、患者の眼球が固定されているかどうかを常に確認します。
*目の中心より鼻側、耳側、上下の視野を知ることが可能になります。
*視野欠損・縮小がある場合は、視野の周辺部より指を中心に動かしていき、どこで見えるようになったか調べます。半盲があれば、障害側へ物体を近づけると中心線で初めて見えるようになります。
失語症認知症があり検査の内容が理解できない場合、視野周辺から患者の眼を引きそうな物を近づけた時の眼球の動きから視野の大まかな状態を知ることができます。
*軽い意識障害で視野を検査する場合、患者が開眼している時に眼に向かい検者の指をつっこむような動作をすると閉眼する(視覚性おどし反射)ことがあり、この方法で半盲の有無を判定します。

眼瞼

眼瞼下垂の状態を観察します。わかりにくい場合、まっすぐ前方を見させ、左右の眼瞼裂を比較します。
眼瞼上部の下端が瞳孔にかかっている場合、その側に眼瞼下垂があります。
一側の眼瞼下垂は上眼瞼挙筋を支配する動眼神経麻痺で起こります。
顔面神経麻痺などがある場合、障害側の眼瞼裂は拡大することがあります。

眼球

眼球突出、陥没、斜視の状態をみます。
眼球共同偏倚(両側の眼球が一方を見つめるように向いている)や、自発性の眼振の有無をみます。
個視しているときに、他側が内側にずれていると内斜視、外側にずれていると外斜視と呼びます。

瞳孔

瞳孔の大きさ、左右さ、形を確認します。眼前に物差しを当てることで計測することもあります。正常では2.5〜4㎜の範囲で、2㎜以下で縮瞳、5㎜以上で散瞳といいます。
瞳孔反射では、患者に部屋の一番遠いところを見るように指示し、懐中電灯の光を患者の視野外から、急に視野に入れ、光を入れた瞳孔が収縮する直接対光反射や、反対側の瞳孔も収縮する間接対光反射をみます。正常では、収縮が速やかです。
輻輳反射では、眼前20㎝程度で指先を見つめさせ、それを次第に近づけると眼球は左右とも中心により、瞳孔は縮小します(より目:内転した角膜内縁は上下の涙点を結ぶ線まで到達する)。

眼球運動

眼前30〜60㎝に検者の指や指標を置き、その先を見つめさせゆっくりと左右、上下に動かします。頭を動かさないように指示しますが、この際片手で頭を軽く押さえ、注視により頭を回転させようとするかを感じ取るようにします(注視障害を補正するように頭を動かすことがある)。
左右からの動きを見るようにします。上下の運動は、人により動く範囲に差があります。
眼筋の検査では、患者と向き合い、検者の示指先端を見つめさせます。眼球の左右への動きをみて、内、外直筋の動きを調べます。次に右or左を注視させ、その位置で指を上下に動かし、眼球の動きをみます。
眼球運動の正常範囲ですが、上方では黒目の下に必ず白目が見られますが健常者でも程度は個別性があります。下方では眼瞼を上げると正常では角膜上縁は内外の眼角を結ぶ線に達します。
両目は左右同様に動くのが正常です。いずれかの方向に複視が生じることがあります。
指標を動かしたときに、眼球運動が滑らかでなければ異常があります。
左右の眼の動きは、共同しますが、一方が遅い場合もありえます(右方向注視と比較して左方向注視が遅い場合、潜在性に左方注視障害がある)。
小脳症状があると、側方注視において眼球の測定異常がみられます。
普通に指標を見つめさせて追跡するのは滑動追従運動(滑らかで連続的)で、視点の急激な変化に伴う眼球運動は衝動性眼球運動です。衝動性眼球運動が障害されると、眼前の2点の間を交互に素早くみることが困難となります。衝動性眼球運動のみが障害されることを緩徐眼球運動と呼び、脳幹部で症状がみられることがあります。

f:id:happyhealth:20170307203204j:plain

f:id:happyhealth:20170307203321j:plain

出典:ベッドサイドの神経の診かた

眼振

眼球運動検査の際に眼振のチェックを行います。左右上下に眼球が30度程度回転させるようにすると、眼振の有無を確認できます。正面の物を注視させるだけでも眼振が生じることもあります。眼振のみる際には5〜6秒見つめさせ、運動の持続を確認します。その方向、振幅の大きさ、頻度や眼振時に物が揺れてみえないか(動揺視)も確認します。
動き方にも特徴があり、一方向にゆっくり、逆方向に急激に動くものを衝動性眼振と呼びます。振子様眼振は両方向に等しい速度で動く眼振です。

参考文献