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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

プロセス嗜癖の特徴と種類

依存症

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プロセス嗜癖は、ある習慣への強迫的な考えが作用する、夢中になってそれ以外のことを考えないような行為であり、それが悪習慣になっても修正されず、回復しないと自己破綻に陥るようなものです。行為へのアディクション嗜癖)のため、直接身体を傷つけることはありませんが、経済的、人間関係、職業、犯罪など様々な生活問題が発生しやすくなります。今回、プロセス嗜癖の特徴と種類について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

プロセス嗜癖の特徴と種類

プロセス嗜癖と医療

プロセス嗜癖は一部は医療の対象になっていますが、医学的な処置では回復が困難で、治療の対象になっていないものも含まれます。
しかし実際の生活では問題となることが多く、援助職が問題を発見することもあり、自助グループの活動が行われているものもあります。
人によって、様々な行為がプロセス嗜癖となることが特徴であり、他のアディクションと合併しやすい特徴もあります。

ギャンブル依存症

ギャンブル依存症には、心理過程から4つの段階があります。
第一段階:ソーシャルギャンブリング
この段階では純粋にゲームとして楽しいと感じるレベルです。

第二段階:冒険気分、勝ちの段階
自分にはギャンブルの才能があると思い込み、大きなチャンスがあると錯覚します。お金が必要になればギャンブルで稼ごうと考えます。ギャンブルで勝つことを前提として考える思考です。

第三段階:負けの段階
コントロール不能で負け越しが続きます。自尊心を復活や負けを取り戻すためにギャンブルを繰り返します。借金を重ね、それを隠し、仕事や家庭内でのトラブルが生じます。ブレーキがかからず、一発逆転を考え、ギャンブルを続けます。

第四段階:絶望の段階
仕事、家族などを失い、借金が残ります。この段階では、夜逃げや自殺、犯罪に走る、助けを求めるなどの行動を起こします。多くの借金は、先行きをイメージできないため一気に解決出来る方法をとろうとします。

 ギャンブル依存は、気分の高揚と落ち込みの間で心が揺れ動くことの多い人、そういうことを楽しいと感じる人、出来事や結果の必然性を運命によるものとして片づける認知傾向の人がなりやすく、これらの学習された認知や情動のパターンを変えていくことが回復には必要です。

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買い物嗜癖

買い物では、欲しいと思った商品をを手に入れた時の高揚感や、バーゲンでいくつもの袋を抱えている時の達成感、宝石などで店員から丁寧な説明を受けながら吟味して購入する時の自己拡大感などがあります。
買い物に依存するアディクションでも、買い物をするプロセスの中で、どの部分に快感を覚えるかは人によって異なります。
買い物は、頑張った自分へのご褒美など、イライラや不安感の解消などの、心のメンテナンスとして役立つことも確かです。
買い物嗜癖となるには、必要以上の買い物や収入以上の買い物が習慣化し、コントロール不能となった場合です。
このような場合、買った物はどうでもよく、買い物という行為に依存している状態になります。
買い物で得られる高揚感は一時的で、帰宅後や商品到着後に支払いや不要品であったことに後悔を覚えます。クレジットカードを使用していると、借金が膨れ上がる危険性もあります。これらから否認し逃避するために、さらに一時的な高揚感を求めて買い物をするというような状態に陥りやすくなります。

浪費癖

浪費は、自分の収入に見合った生活でなく、金遣いが荒い状態が続くことをいいます。これには買い物やギャンブルを伴うこともあります。
浪費癖のある方は、それ以外の問題が見当たらないことが多く、職業・家庭上はしっかりと役割をこなし、信頼も厚い人が多くいます。またこのような役割をストレスには感じず生活しているように見えることが特徴的です。
買う行為への執着ではなく、いつの間にか多額の債務の支払いが生じ、社会的・人間関係的に破綻していきます。
ギャンブルや買い物嗜癖と異なり、必ず特定・不特定多数の人間の関与があり、その関係の中で浪費があることが特徴です。
親しい間柄の者に奢ることや、会員権を買いステータスとして身につけること、様々な行事に参加しすぎることなど、付き合いの中で「他者に喜ばれる自分」により自分の存在価値を確認する行為となります。

借金癖

借金癖は、浪費や買い物、ギャンブル依存に伴うことが多くあります。
何かを買いたい時などに、すぐ解決出来る方法で行う行動が常習化したもので、借金の返済に困ると新たな借金を作り解決しようとしていきます。
借金癖は借りる行為が当たり前になってしまう金銭感覚の悪習慣が問題であり、金銭感覚そのものを変えていく必要があります。

ネット・ゲーム嗜癖

ゲーム依存では、長時間行っている中で自分の操るキャラクターが強くなるとゲームにのめり込みやすく、やめにくくなります。何かに対するストレスから一時離れてネットやゲームをして過ごすうちに、それが長時間になり他の生活に支障をきたし、修正できない状態をいいます。
スマートフォンなどの小型通信機器の普及により、ネットを閲覧できる環境が広がりましたが、いつでもどこでもできるという利便性に対して、時間やエチケットなどの自己管理になんらかの理由で依存的になりブレーキがかからないのがアディクションになります。

抜毛癖、嗜好的掻破

抜毛癖、嗜好的掻破(皮膚をかく、にきびつぶし、かさぶたはがし)では、行為への生理的快感を覚えます。
幼児期での指しゃぶりと同じで、支障をきたすようになっても、快感を求めて行い続けてしまうとアディクションになります。
これらの嗜癖は、自分一人で、部屋でできる行為のため、子供や部屋にこもり気味の人に見られやすい特徴があります。

仕事依存

人には働きたいという社会的な欲求があります。また仕事をし、結果を出すことで自己効能感が高まることがあります。このような快感を求めて、仕事があり、仕事を続けていないと不安になったり抑うつ感になるものを仕事依存といいます。
働くということにコントロールが効かず、家庭生活や社会生活に支障をきたしている場合、アディクションとなります。
この線引きは難しいですが、会社の労働環境などの組織の問題や、シングルの家庭で生活のために働くような社会側の問題は区別されます。

仕事依存の人の仕事に対する姿勢は、常に時間に追われていて、不満を言いながらも仕事を引き受けて早く仕上げようとします。仕事の種類や内容を問わず、自分の強さや知能、能力を示さないといられず、競争に常に真剣で、ミスや冗談は受け入れない傾向があります。だから一方では、遊びにおいても努力することが多いです。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P70

心理的に、虚脱感と仕事への熱意の気分状態が交互に見られ、精神的に不安定な状態になりやすく、その不安定さを仕事によって忘れようとしたりします。

失踪癖

人は不快ことや逃げたいことがあったとき、小さな逃避を行うことがあります。これは心の健康な面でもあり、直面する現実に対して意識的、無意識的に防衛する反応となります。
局面に対して、手を打たずに責任なく逃げ出す行為を繰り返し、社会的に支障をきたしているものを失踪(遁走)癖といいます。
失踪する期間は様々で、ある場面のみのことから、年単位に及ぶこともあります。
責任を持ち行うべきことから逃げ出すことで、家庭生活や社会生活に支障をきたし、信頼を失い、職を失うなどがあるにもかかわらず、くりかえし失踪するというような場合にはアディクションとなります。

収集癖

何かの物を収集し、そのうちに借金が重なったり、保管のための場所が生活空間を奪ったりすると、徐々に生活を苦しめることになります。
窃盗などの行為とセットになることもあります。
心理面では、物に対する思い入れがあり、捨てられない、もしくは集めないと気持ちがおさまらない場合などがあります。
摂食障害とセットになり食材をため込むばあいもあります。
買い集めたものを強迫的に整理する場合と整理できない場合があります。

窃盗癖

窃盗癖は、お金に困っているわけでもなく、盗むことへの犯罪性が欠けているわけでもないのにやめられないアディクションです。
品物を欲しいとう欲求があり、支払いのプロセスを飛ばして物を得るという、幼児化した感覚に基づく行為に夢中になってしまうことです。
無料で物を手にいれたときの万能感や、スリル、達成感を感じます。

自傷

自傷行為に夢中になるアディクションです。
この行為は他者への注意を引きつけるために行われるのではなく、今現在の生きづらさを一瞬凌ぎ、生き抜くために行われる意味のある行為となります。

心の痛みを傷による体の痛みにすり替えることで否認する場合や、空虚感・離人感があるときに現実感を取り戻すための場合、家族や親しい人に対して幼児的に退行した一体感(嗜癖の中核的感覚)を持ち、抱える苦しさをわかってもらうための場合などがあります。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P74

自傷行為へは、自傷行為とその根底にある生きづらさを安全に話せる関係づくりから始めていきます。

 引用・参考文献