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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

依存症:物質嗜癖・乱用の種類と特徴

依存症

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物質の嗜癖・乱用とは、なんらかの物質の使用が自分ではコントロールできない状態です。対象物質は、アルコール、ニコチン、覚せい剤、危険ドラッグ、大麻などの違法薬物、処方薬、市販薬(鎮痛薬、風邪薬など)、シンナーなど様々なものがあります。
これらの物質による身体依存を形成し、体内から物質が抜ける際に退薬症状が生じ、苦しむことになります。今回、物質嗜癖・乱用の種類と特徴について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

物質嗜癖・乱用の種類と特徴

アルコール

アディクション嗜癖)の中でもよく知られている物質です。
日本では身近な嗜好品であり、度を超えた飲酒についても周囲があまり気にしないということが特徴です。
アルコールの問題(酒癖が悪いなど)がある際には、周囲は本人の意志の弱さや人格の問題にすることが多くあります。
しかし、アルコールは薬物のため、長期間の服用により身体依存・精神依存ともに形成します。周囲はその問題をアディクションや依存症だとは理解しにくく、家族も心理的・社会的に負担がかかることが多くあります。
アルコール依存症であるかどうかの線引きとしては、日常生活上何か支障をきたしているのであれば、改善すべき問題があると捉える必要があります。
アルコールは嗜好品でもあるため、様々な人が普段から摂取し、あるところでコントロールが効かなくなるというような、どこからが病気として捉えればよいかがわからない面があります。
飲める体質で、飲むこと自体や酔うことに快の感情を感じる人や、晩酌の習慣がある人は、アディクションの問題として発展しやすい特徴があります。
身体的な影響として、長期の服用により、消化器系などの内科疾患、糖尿病や心疾患、脳疾患などの疾患を生じやすくなるリスクが高まります。これらに起因して内部障害や身体障害を生じることも考えられ、アルコール性の認知症を生じる可能性もあります。
いずれにせよ早期発見が重要で、心理教育などの依存症治療が行われる必要があります。

違法ドラッグ

薬物の使用がなくても所持だけで違法となり、摂取すると身体的、精神的に大変危険なものとなります。
アディクションではだめであってもするという心理が作用するため、乱用・依存するようになると恐ろしさの強調と刑罰・処罰はブレーキとなりません。
違法であるがゆえ隠蔽・否認の行動を取り、アディクションを続けるために嘘を並べることも多くあります。
違法薬物は値段が高価なため、経済的な問題に発展しやすいことが特徴です。

違法な薬物の依存症になってしまった人には、取り締まりのみでは刑務所への収監を繰り返すだけで、社会復帰をより困難にします。そのため、司法中処遇から社会内治療やリハビリテーションにつなげていく必要があります。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P57

危険ドラッグに関しては、2013年に包括指定制度(化学構造が似た物質を一括して規制する仕組み)が導入されたことにより、販売・使用ともに取り締まりが強化されています。
危険ドラッグに関しても、依存症になった人へのリハビリテーションが必要になります。

処方薬・市販薬

処方薬や市販薬は、用法・用量を守らずに使用すると、酩酊状態となりえます。抗不安薬睡眠薬、市販薬などを一気に大量服用するアディクションがあります。
薬物乱用のきっかけとしては、うつや不眠などの症状から病院で薬の処方をしてもらうことから始まることが多く、薬物は様々な科でも処方されるため、それをきっかけとすることもあります。

 睡眠導入剤抗不安薬(特にベンゾジアゼピン系)は依存性が報告されており、長期の処方によって、あるいは処方量を守っていても、人によっては依存性が形成されることがあります。

対人援助職のためのアディクションアプローチ P58

依存性ができると、身体的・精神的に薬の常用を求めますが、この時点までに医師に相談し、減薬していくことが可能です。そうでない場合、薬を求めてクリニックを回るようになり、様々な問題を生じることにつながります。
治療の必要性から依存症になるタイプと、合法薬物としてはじめから知って依存症になるタイプに分かれます。

生活用品の中にある薬物

日常使用するものの中にも、薬理効果がある物品があります。
シンナーなどには有機溶剤、ライターガスにはブタンガスが含まれます。
生活用品の中にある薬物のアディクションは、使用する中で量が増えていくというよりは、どこかから情報を得て、はじめから乱用目的で使用する人が多いのが特徴です。

薬物効果とその問題

薬物には、抑制系薬物、興奮系薬物、幻覚系薬物があり、これらの薬理効果が引き起こす臨床的な問題があります。

急性中毒症状
薬物を急激に使用することによる急性中毒症状を引き起こす危険があります。

薬物探索行動
薬物の長期使用により、それがないと落ち着かず、強烈な摂取への欲求と探索行動をとる精神依存が生じます。

退薬症状
薬物の体内効果がなくなってくると、物質により様々な退薬症状が出現します。これは一定期間すぎると治りますが、その間の激しい症状によっては精神科入院が必要になる場合があります。この状態は身体依存と呼ばれます。
症状には、発汗や手の震え、不安、不眠、頭痛、興奮、嘔吐などの自律神経症状、意識障害、けいれん発作、精神症状(幻覚など)があります。

慢性中毒による身体・精神障害
慢性中毒による身体障害では、薬物を使用し続けると、神経系、呼吸器、肝臓、腎臓など様々な臓器に障害を引き起こします。薬物の中止と治療により回復もしますが、障害が残存することもあります。
慢性中毒による精神障害では、薬物の中止で回復するということではなく、精神障害を抱えながら生活していくことになります。

引用・参考文献