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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

習慣と悪習慣から考える依存症の理解

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以前ケアマネージャーの実習でお世話になった方が社会福祉士の方で、その中で依存症について話をしたことで、興味をもつようになりました。依存症が成立するのにはどのような要素があるのか、また克服に向けてはどのようにしていけばよいのかなど、疑問点ばかり浮かびました。そこで今回文献を参考に、習慣と悪習慣から依存症を理解していきたいと思います。

 目次

習慣と悪習慣から考える依存症の理解

アディクション嗜癖

アディクションは、ある行為をやめようと思ってもやめられないというような、一種のコントロールにおける障害のことをいいます。病気なのですが、本人は病気と認めたがらず、病院で治療を受けることで必ずしも治るわけではありません。
アディクションは生活に悪影響を及ぼすことがあり、様々な社会問題を生じさせることがあります。

習慣と悪習慣

人には誰にでも癖があります。これは習慣であり、その中には悪習慣のものもあるかもしれません。
メタボになりかけなのに運動が面倒臭い、翌日に影響を及ぼすのに夜更かしをしてしまうなど、健康的に生活を送ることができないということもあります。
しかし、様々なきっかけ(家族からの助言、環境の変化など)により、習慣は修正されていくことがあります。
これが修正されずに執着していくと、アディクションとなっていきます。

習慣の自動化

人の行動は、習慣化して自動化していくものです。
このプロセスには様々な要因があり、幼少期からの習慣の継続、自分にとって利益がある情報によるもの(健康情報など)、自分にとっての楽しみとなるものなどが考えられます。
このような習慣を毎日継続していると、それはやがて自動化していきます。

 習慣は、人の暮らしをメリットに沿う形でシステム化させ、継続するとその人が意識しなくても自動的に動き、暮らしや気持ちを安定させるものです。この習慣はきっちりしたものではなく、情報や知識によって新しい習慣を付け加えたりやめたり、状況に応じて点検と再検討がされて変化していきます。

対人援助職のアディクションアプローチ P14

このことからも、習慣はよりよいものへと変化できることがわかります。

習慣の非修正とアディクション

前途したように、習慣は状況に応じて点検と再検討が行われます。しかし、その習慣が場合によっては点検、検討されずに継続されてしまうことがあります。現在の習慣がデメリットであっても、そのまま継続され、さらにデメリットを起こしてしまう状態は、自己調節機能を失っている状態であり、この状態をアディクションと呼びます。
例えば、なんらかの事情で退職した人が、社会的喪失感から朝からアルコールを飲むという新しい行動が取り入れられるとします。この行動に快感やメリットを感じると、それは継続されやがて自動化されていきますが、体調の悪さも感じて習慣の点検と再検討がなされるのが通常です。しかし、酔いを求める何らかの「心の事情」があると、体調が悪くても酔いがメリットとなっていれば、行動の修正は行われずに習慣が定着し、アルコールに依存することになります。
体の不調だけでなく、他の生活状況(家族からの不満など)に影響が出てもメリットを求めて他のことは否認するようになっていくと、メリットであるかにかかわらず自動化し、全体としてデメリットに変わっていきます。

習慣と悪習慣の線引き

習慣とアディクションを考える際に、様々な生活行為から移行する場合があります。
具体的には趣味や嗜好行為で、スポーツや読書、アイドルの追っかけ、鉄道ファンなどが挙げられます。
このような趣味や嗜好行為は、生活の楽しみであり、生活を満足するものとして高めていく大事な要素になります。
しかし、この趣味が度を超えて自己修正が効かずにはまってしまうことがあります。例えば、定職につかずにアイドルグッズを買い漁るなどを続けた結果、借金や万引きをするようになるといった場合があります。
趣味から発展したものは線引きが難しいですが、無収入であるにもかかわらず借金をしたり、万引きをすることは悪習慣となり、それが修正されないようであればアディクションと捉えるべきだといえます。

役割と習慣

習慣には、対人関係や集団役割におけるパターンも含まれています。
人には様々な役割があり、聞き役、話し役、世話焼きな人、ムードメーカーなど、人の性格と重なってくる面もあります。

性格傾向は、基本は大きく変わらないものですが、実は相手にあわせるための小さな修正や生来の性格をそのまま向けない例外の存在、環境に適応した変化といった柔軟性を持っています。その柔軟性を極端に欠いている場合や本来の自己のあり方に負荷をかけてそのパターンを続けている場合、そういうパターンである必要性が自分自身に強くある場合などは、対人関係の問題に発展したり、自分の気持ちと行動の不一致が大きくなって自己不全感を持つようになったりして、生きづらさを抱えるようになります。

対人援助職のアディクションアプローチ P16

このようなことは、心の病(うつ病など)を伴えば医療の対象になりますが、修正されずにそうする必要があったメリットについては医療では扱われないこともあります。

引用・参考文献