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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

依存症(アディクション(嗜癖))の成立要件ー感覚、体験・学習、環境の視点からー

依存症

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依存症が成立する要件として、ある特定の感覚と体験・学習、環境の3つの要因が挙げられます。今回、依存症の成立要件について、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

依存症の成立要件ー感覚、体験・学習、環境の視点からー

行為によって得られる感覚

アディクション嗜癖)の成立要件のひとつに、ある行為によて得られる特定の感覚(幼児期に退行した感覚、覚醒した感覚など)を快感だと感じる心の特質が挙げられます。
私たちは、この特定の感覚を、嫌なことを乗り越えたり、快適に過ごすためにうまく用いながら生活をしています。
ある不快なことや要素があり、アディクションとなる行為でそれが軽減されるような体験が加わると、それが長期記憶化され、その後もその必要に迫られて行為を繰り返し、定着していくことにつながります。

体質と周囲からの学習

ある人にとってのあるアディクションは、体質と周囲からの学習という要因が関係しています。
アルコール依存症の場合、体質としては飲める体質という身体的体質に加え、アルコールの匂いや絵だけで脳の報酬系のシステムが活性化する脳の体質という側面があります。
心の体質については、遺伝的な要素との関係もあるようです。親と同じように酒に強く、酒を飲むことが快感だと感じる場合は、アルコールに関する問題が生じやすいといえます。しかしながら、このような人たち全員がアルコール依存症になる訳ではありません。理性により限度に規制をかけ、報酬を得ることよりも勝るようにコントロールできるからです。逆にアルコールを飲めない人でも社会的な承認などの報酬を求めて規制をかけない場合もあります。
学習に関しては、周りにその行為を誰かがやっている、見知っているという環境にいることが大きく関係してきます。
違法薬物は、通常の生活をしている限り手に入りませんが、誰かが違法薬物をやっている、もしくはどこに行けば薬物を入手できるかといった情報があり、買うことではじめて行為が成立します。
他にも、過食症の姉を見て、妹も過食を始めるというような例もあります。
妹の立場になると、身近にそんな方法もあるのかという学びの場になってしまっているのです。
その人の生育環境での習慣や親から学んでいることもあり、例えば生活費を借金して返すことが習慣になっていたのであれば、借金をすることに対するハードルが低くなることも考えられます。しかしながら、きちんと規制が働く場合もあります。
このようなことから、きっかけ次第で知っている、学習したやり方を取り入れる傾向はあり、心の環境が依存症につながることがあるわけです。

環境

環境には、個人的環境と社会的環境があります。アディクションが可能な環境にあると、その行為を行いやすくなります。
個人的環境としては、アルコール依存症では経済的に余裕がありアルコールを手に入れることができ、飲む場所があり、家族もよく飲むといった環境などが挙げられます。
この環境は決して悪い環境でなく、この環境でも問題が起きないのはアルコールをうまく利用できる家族になります。
しかし、心の喪失感などがあり酔いを求めたくなった時に、そのような環境があるとアルコールが選択されやすくなります。
お金に関する依存症では、必要な資金や借金をお願いできる人がいたり、パチンコ店などが周りにたくさんある地域に住んでいるなど、個人的環境とアディクションは強い繋がりがあります。
このような環境条件を見直していくことは、アディクションの再発予防にとって大切になります。
社会的環境では、社会風潮、社会習慣、社会的価値観などに影響され、アディクションとして進行する場合があります。
アルコール依存症を考えると、戦後の晩酌が一般家庭に浸透したことの影響が大きく、また日本では酒に強いことや酒を断らないことが尊敬されたりすることがあります。このような考え方も、アルコールに依存しようとした時に社会的なブレーキがかかりにくくなり依存症が進行していきます。

社会環境と依存症のリハビリテーション

現代社会における様々な価値観や、希薄化する倫理観は人間の行動にブレーキをかけにくくする可能性を含んでいます。このことは、悪習慣が自動化していくプロセスを助長してしまうことにつながります。
依存症のリハビリテーションにおいては、環境要因を見直すことが大切になります。
依存行為が社会的問題として発展する場合、啓発活動により社会全体で問題を理解し周知することや、罰則の強化などが図られることが必要になります。
そのなかで止められない人が視覚化され、リハビリテーションに取り組むことが可能になります。
飲酒運転の罰則化では、飲酒運転者を減らすことにつながり、それでもやめられない依存症の人たちを浮き上がらせました。
このように、依存(アディクション)に対して、社会的な啓発活動と規則、罰則とリハビリテーションをひとつとして考えていくことが大切になります。

参考文献