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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

簡易装具(母指対立位)を用いた脳卒中片麻痺のつまみ動作訓練!

リハビリ 脳卒中

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脳卒中片麻痺患者の上肢訓練において、より実用的な上肢機能を獲得していく上で、手指による物品操作を用いながらの複合的な動きを行うことが有効だと考えています。しかし、手指屈曲は可能だが伸展が不可能な場合や、母指の動きが悪く示指との対立位が取れない場合、つまみ動作が困難となります。そこで簡易装具を用い、つまみ動作を行いやすくする中での訓練方法を紹介していきます。

 目次

簡易装具(母指対立位)を用いた脳卒中片麻痺のつまみ動作訓練!

脳卒中後の上肢機能の回復について

脳卒中後の麻痺側上肢の回復について

麻痺側上肢を能動的に使用できる患者では機能回復がより長く続くというほうが正確である。このような後になってみられる回復は、使用および動作に反応する神経系の再組織化の過程が進行中であるということを反映している。これらのプロセスは使用状況に依存する可能性が高い。

脳卒中運動療法 エビデンスに基づく機能回復トレーニング P137

とあり、いかに上肢を使用できるかにより、回復に違いが出ることが言われています。
また、麻痺側上肢のトレーニングの原則として

回復の実態は最初の機能障害のレベルだけではなく、行われるトレーニングや練習の量・タイプと患者が強制的に手を使用させられるか否かを反映している。
手をわずかに自動的に動かすことができる患者で上肢機能を効果的に回復させるために脳の回復過程を刺激するには、非麻痺側上肢が「唯一の使用可能な上肢」として再組織化されるのを防ぐことと、麻痺側上肢の動作を強制することが不可欠である。

脳卒中運動療法 エビデンスに基づく機能回復トレーニング P138

と述べられており、麻痺側の強制使用と、その練習内容を効果的なものに設定する必要があります。
作業療法士は、促したい上肢の動作と、それに必要な課題の分析を行い、段階付けをしながら練習課題を設定する必要があります。

物品を使用する意義

物品を用いる意義について、

対象物を用いない無条件の課題よりも、対象物を用いて有意味な相互作用を含む具体的な課題を行うときのほうが、患者は優れたパフォーマンスを示す。

脳卒中運動療法 エビデンスに基づく機能回復トレーニング P139

とあります。
このことからも、具体的な物品を用いて行う訓練には上肢機能回復に有効なことがわかります。また、患者の意欲を高めることにおいても意味のある訓練であるといえます。

つまみ動作を促す装具

母指と示指の対立位を促すために使用していきます。

①Cバー(スプリント素材を用いて)
示指、母指の指腹つまみを邪魔しない程度の範囲でC型を形成し、つまみ動作を促していきます。

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②Cバー(厚紙を重ね、ビニールテープを巻いたもの)

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③短対立スプリント(型紙を重ね、ビニールテープを巻いたもの)
手関節の機能低下(背屈位)がある場合、手関節の支持を必要とする長対立スプリントが適切です。

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母指対立簡易装具を使用した物品操作訓練

①ペグ操作
段階付け:
肩関節屈曲を促したい場合、高さを高くします。
肘関節伸展を促したい場合、距離を遠くします。
手関節伸展を促したい場合、角度を大きくします。

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②雑誌めくり
前腕回内外を促すことが可能です。

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③書字

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引用・参考文献