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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

自分でできる脳卒中片麻痺の杖歩行訓練のコツ

リハビリ 脳卒中

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脳卒中片麻痺の杖歩行においては、ちょっとしたコツを知っておくだけで、自主練習の際に効果的に訓練を行えます。そこで今回、文献を参考にしながら杖歩行訓練のコツをお伝えしようと思います。

 目次

自分でできる脳卒中片麻痺の杖歩行訓練のコツ

常歩行と片麻痺歩行の違い

常歩行と片麻痺歩行の違いについて、簡単に説明をしていきます。
常歩行では、スムーズで力強く歩くためには、固定する足と動く足の関係が非常に大切になってきます。
右足が地面に着いて、全体重をしっかりと支持できていると、左足を前に振り出すことが可能です。また逆に左足が地面について、全体重をしっかりと支持できていると、右足を前に振り出すことが可能になります。
一方、片麻痺歩行では、地面を支持する際に麻痺側の足である場合、しっかりと体重を支持できないため逆足をうまく振り出せず、すぐに足が着いてしまう現象がみられます。逆に、健康な側(健側)の足が地面を支持する場合、麻痺側の足は振り出しやすくなります。

片麻痺の杖歩行と杖なし歩行の違い

脳卒中片麻痺の杖歩行と杖なし歩行を後方から見て比較すると、杖歩行では左右の揺れ幅が小さく、杖なし歩行では左右の揺れ幅が大きいことがよく観察されます。
このような場合、杖なし歩行の方が「歩行が不安定」であるという判断になります。
よく、脳卒中片麻痺の歩行では「ぶん回し歩行」が特徴的であるといわれます。
このぶん回し歩行は、下肢を前に振り出すために、体幹の回旋動作を利用したものになります。
杖なし歩行の場合、体幹の回旋を妨げないように、健側の腕を側方、後方にすることにより効率の良い回転を実現しています。
杖歩行の場合、健側の腕は杖を持っているため、杖を前方に出します。そのため体幹の回旋は制限されることになり、ぶん回し歩行が行いにくくなります。このような理由で、杖歩行と杖なし歩行の左右の揺れ幅に差が生じます。

杖歩行と杖なし歩行のどちらが正解か

杖歩行では、「安定性のある歩行」が獲得できます。一方、杖なし歩行では不安定ではあるが健側の手が使えたり、荷物を持ちやすいというような利点もあります。
どちらが正解かは、その方のライフスタイルや、安全性、疲れやすさや効率性、実用性の視点で総合的に判断していく必要があります。
歩行能力を確認する意味では、杖なし歩行を行っている方にも、杖や平行棒での歩行の中で、麻痺側の足をしっかりと前に振り出せているかを確認することも必要かと考えられます。

自主練習における杖歩行訓練のコツ:麻痺していない足と杖の位置が大事

もちろん麻痺している足の動きを良くする訓練も大切になります。
先ほど杖歩行では、体幹の回旋が行いにくいため、ぶん回し歩行が行いにくいと述べました。
このときに、麻痺していない足の位置を「やや外側」に出すことでぶん回しが行いやすくなります。逆に、足を内側に出すとぶん回しは行いにくくなります。
杖をつく位置も重要で、杖を外側に出せばぶん回しが行いやすく、逆に杖を内側に出せばぶん回しは行いにくくなります。
自主練習では、以上の2点を注意して杖歩行練習を行うことで、安定した中でもスムーズに足が出しやすい歩行獲得の近道となります。
環境的に許されるのであれば、床に2本の線を引いて(テープなどで)、行う方法が目で確認しながら行えるため有効です。
2本の線のうち、自分に近い内側の線に麻痺していない足を合わせ、外側の線には杖を合わすようにします。
このように、自己修正できる環境を用意することでより効果的な自主練習が行えます。
なお、ぶん回し歩行を推奨しているわけではなく、あくまでも安全性、効率性、実用性を兼ね備えた歩行を、担当のセラピストと相談しながら行ってください。

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参考文献