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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脳卒中における感覚障害の特徴とADL、iADL障害の関係

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脳卒中などの脳血管障害による感覚障害では、識別知覚(2点識別覚や形態の識別など)のような難易度の高い感覚が障害されやすく、また異常知覚があると感覚障害は重度になりやすく、異常知覚により識別知覚が障害されやすいという特徴があります。今回、このような脳血管障害の感覚障害の特徴と、ADL、iADL障害の関係について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

脳卒中における感覚障害の特徴とADL、iADL障害の関係

脳卒中による知覚障害の特徴

脳卒中における知覚再教育では、脳内情報処理の再構築を図っていくことを目的としています。知覚再教育において、脳卒中などの中枢神経性疾患の感覚障害の特徴を知っておくことは、治療プログラムを立案する上でも役に立つためとても意義があります。
中枢神経性障害と感覚の伝導路については、以前の記事を参考にしてください。

happyhealth.hatenablog.com

脳血管障害による知覚障害の6つの特徴について(62例:澤と岩崎 1989)、
①一般的に、運動麻痺の重症度と知覚障害の重症度はほぼ一致します。しかし、視床出血では、運動麻痺の程度が軽くても知覚障害が重度な例も存在します。また視床の障害部位(核)の違いにより知覚障害のパターンは異なります。

②痛覚、腹指の振動覚、動的触覚の脱失は少ないが、識別知覚では脱失例は増加し、かつ全か無の二極化となる傾向にあります。

③一般的に、防御知覚(温痛覚)不良例では、識別知覚は良好です(防御知覚良好例では識別知覚良好)。

④固有感覚は、関節近位部では保たれ、手指など遠位部が障害される傾向にあります。

⑤異常感覚有する例は半数程度あり、しびれ感があり、部位は顔面・麻痺側手、半身全体、麻痺側手のみが等分を占めます。異常知覚の存在時間はばらつきがあります。

⑥上肢全感覚脱失例も少数あります。

感覚障害のパターンとADL、iADL障害の関係

感覚障害があると、上肢では物の操作が拙劣で、手の使用が消極的になる傾向があります。
各感覚障害パターンの違いによるADL、iADLの動作障害での関係性について、
①全知覚重度障害では、運動麻痺が軽度でも動作が拙劣でスムーズさに欠けます。把持した物体を落下させることが多くなります。また上肢は過剰な力が入りやすくなり、失調や不随意的な異常肢位をとる場合があります。
ADL、iADLでの手の使用は不使用か、簡単な固定に用いる程度で、手に対する不安感を訴覚えることもあります。

②防御知覚、識別知覚障害があるが、固有感覚が正常な場合、動作はスムーズですが、上肢に過剰な力が入りやすく物品操作は拙劣となり、物品の落下がみられることがあります。

③固有感覚、識別障害があるが防御知覚が正常の場合、物品操作で力が過剰に入り拙劣となります。動きの認識が困難で、急な動きを伴うと物品を落としてしまうことがあります。

④識別知覚障害があり、防御知覚、固有感覚が正常な場合、物品操作は拙劣となり、動作時に上肢全体に過剰に力が入ります。

⑤数本の手指の識別知覚のみ軽度低下している場合、指の違和感はありますが、識別は他の指で可能で、上肢操作において困ることはありません。

⑥異常知覚がある場合、他の知覚が正常でも、手の使用には消極的になります。他の知覚が障害されている場合、訓練の拒否や手を使いたがらなくなります。

参考文献