読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

医療・介護従事者のためのクモ膜下出血の医療的知識

医療知識

【スポンサーリンク】

脳血管障害では、クモ膜下出血の患者もしばしばみられることがあります。クモ膜下出血という診断名はわかっていても、その医療的知識を知っておくことで、症状の理解やリスク管理につながります。今回、クモ膜下出血の医療知識について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

クモ膜下出血の医療的知識

クモ膜下出血とその原因

クモ膜下出血は脳表面の出血により脳外部から、脳内部の組織の損傷が起こります。
動脈瘤6〜7割、脳動静脈奇形1割、原因不明(その他)2割となっています。

動脈瘤

動脈瘤は、脳動脈の分岐部でその壁が突出することで発生し、根元のneckと膨らんだ部分のdomeからなり、その壁には動脈の内弾性板と筋層を欠いています。domeは外膜のみからなっており、その一部の膨隆するすると壁が薄くなるため、そこから脳動脈瘤が破裂します。動脈瘤はウイリス輪を中心とした脳底部に発生することが多く、重度のクモ膜下出血が起こると、多量の血腫が脳底に溜まり、脳幹部を圧迫するため、意識障害や呼吸麻痺を引き起こすこともあります。
動脈瘤破裂では前大脳動脈の遠位部や中大脳動脈領域で生じる場合もあり、この際には脳内出血を伴うこともあり、運動麻痺、失語といった巣症状が出現します。

クモ膜下出血の症状

クモ膜下出血では、警告漏出と呼ばれる軽度の頭痛を繰り返すこともあります。
大部分の症例では急激な後頭部から頭頂部への激しい頭痛や発症直後の意識障害、呼吸不全も合併することがあります。この症状は一時的なこともありますが、約2割の方は即死に至ります。
頭痛が軽度の場合、数日中に2回目のクモ膜下出血が発症し、重症化や死亡する例も数多くあります。
再出血予防のためには、血圧管理が重要で、血圧を発症前の20%程度低めにコントロールすることを目標とするようですが、明確なエビデンスはないようです。
クモ膜下出血そのものの症状としては、頭蓋内圧亢進症状、髄膜刺激症状があります。髄膜刺激症状では、頭痛、嘔気、嘔吐、項部硬直、ケルニッヒ兆候、ブルジンスキー兆候などがみられます。
ウイリス輪周囲には視神経、動眼神経、滑車神経、三叉神経、外転神経があり、これらが損傷すると視覚や眼球運動の障害が生じることもあります。

クモ膜下出血における手術

クモ膜下出血の手術適応ではHunt&Kosnikの破裂動脈瘤の重症度分類が用いられています。
grade0では動脈瘤は未破裂のため緊急手術は行われませんが、grade 1〜Ⅳでは原則として緊急手術が行われます。

クモ膜下出血と脳血管攣縮

クモ膜下出血が多量にあると、脳脊髄液に出た血液のヘモグロビンが時間経過とともに酸化し、化学反応によりオキシヘモグロビンとなります。他にも化学反応物質が生じることにより広範囲の脳血管に血管攣縮が発生し(約1〜2週間持続)、その結果脳の広範囲で二次的な脳組織の損傷(遅発性脳梗塞神経細胞の壊死)が起こります。そのため、脳血管攣縮では梗塞巣に対応した巣症状がみられます。脳血管攣縮をきたした場合、予後は悪くなります。

クモ膜下出血と交通性水頭症

脳底部やクモ膜下腔の広範囲に溜まった血液が、脳脊髄液の流れと吸収をブロックすることで水頭症が起こる可能性があります。
急性期を過ぎて頭痛、嘔吐、意識障害を初期症状とすることが多いです。慢性期で正常圧水頭症を発症すると、認知機能低下、歩行障害、尿失禁などで発症します。正常圧水頭症をきたした場合、予後は悪くなります。

脳動静脈奇形

脳の血管の一部が毛細血管として分かれることができなくなり、かわりに異常な血管で動脈と静脈が直接つながってしまう、血管の奇形が胎生期(受精した瞬間から約10ヶ月)に生じ、年齢とともに大きくなります。これが破裂することによりクモ膜下出血や脳内血腫を発生させます。

原因不明のクモ膜下出血

2割のクモ膜下出血では、動脈瘤や動静脈奇形が見つからないことがあります。
また少数ではありますが、モヤモヤ病や脳腫瘍からのクモ膜下出血が起こることもあります。

参考文献