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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

異常知覚(感覚)のリハビリテーション:減感法

リハビリ 感覚

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脳血管障害において異常知覚(感覚)はよく見られ、その不快感により手の使用を避けるようなこともあります。今回、異常知覚の概念とそのリハビリテーションについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

異常知覚(感覚)のリハビリテーション:減感法

異常知覚とは

異常知覚とは、日本神経学会によると、「自発的に生ずる異常な自覚的感覚」とされ、しびれ感や痛み、痒みなどに近い異様な感覚で、人により様々な感じ方や表現をすることに特徴があります。
脳卒中などの中枢性疾患における異常感覚の機序は、

 障害を受けた神経線維の異常な感受性の亢進、新しい受容体の形成、神経インパルスの中枢パターンの変化、疼痛抑制系の変化、多シナプス性経路の活性化などが想定される。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P133

などが挙げられています。
視床後外側腹側核( VPL)が侵されると、視床症候群といわれる不快感を伴う激痛が現れることがあります。また持続性、発作性の自発痛を訴えることもあります。視床痛では、必ずしも痛みではなく、じんじん、びりびりなどのしびれであることも多いです。

視床では触覚系(VPL核)が頑痛系(髄板内諸核)を通常抑制しているが、視床の出血や梗塞はVPL核を中心に発生しやすいので、最初は周辺部の浮腫の影響で運動麻痺が起こると同時に、頑痛系の核群も機能停止する。浮腫の消退とともに運動麻痺が回復する一方、頑痛系が「脱抑制」による永続的な「自発痛」、もしくは「ジンジン・ビリビリ」というしびれを発生する。これを「脱抑制説」と呼んでいる(植村 1987)。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P133

異常知覚に近いものとしては、知覚過敏、錯感覚があります。
知覚過敏は閾値の低下により刺激に対する感受性が高まっている状態をいいます。
錯感覚は外部から与えられた刺激と異なって感じる他覚的感覚をいい、風や水が皮膚に触れると痛みとして感じますが、その機序は不明です。

異常知覚への治療法

薬物療法
 視床痛などの中枢性疼痛(ジンジン、ビリビリというしびれを含む)には、一般の鎮痛薬は無効である。主に、抗うつ薬トフラニールアナフラニールテトラミドレスリンなど)や抗てんかん薬(テグレトール、アレビアチンなど)、抗不安薬セルシンメイラックスデパスなど)のもつ除痛効果に期待するしかないが、その効果は人によりまちまちである(多賀須 2000)。
②星状神経節ブロック(SGB)
 早期治療が望ましく、発病半年以内が有効といわれている。麻痺側の末梢領域への直接的交感神経ブロック効果を期待するものである。星状神経節ブロックが脳血管に及ぼす効果については、未解明の部分が多い(若杉 1998)
理学療法
 温熱療法および寒冷療法により、除痛効果が人により期待できる。
作業療法
 減感法(desenstitzation)により刺激に対する閾値を高め、並行して、服の素材を検討したり、生活の中での手の使用法を具体的に確認していく。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P134

減感法

減感法は、異常知覚に対するリハビリテーションのひとつの方法ですが、その効果は神経生理学的には十分解明されていません。
方法として有効になる可能性も、逆に異常知覚を増強させてしまうことも念頭に置いておく必要があります。
方法
①綿、米、とうもろこし、豆、マカロニ、布などの物品から、目で見て恐れを抱かない物品を選択します。
②選んだ物品をボールに入れ、まずはその中に手を入れることから始め、徐々に手を動かす、握る、ものを探すなど段階的に行っていきます。
③異常知覚が減少してきたら、手の不使用に対して、接触面が丸みを帯びた物品(ペグなど)を用いて、動作学習を行っていきます。
④具体的な日常物品を用い、動作学習を行います。

引用・参考文献