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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

中枢神経疾患の感覚障害に対するリハビリテーション〜アクティブタッチの視点〜

感覚 リハビリ

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中枢神経疾患に対する感覚のリハビリテーションにおいて、アクティブタッチの考え方は重要になります。今回、アクティブタッチを中心に、感覚障害のリハビリテーションについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

中枢神経疾患の感覚障害に対するリハビリテーション〜アクティブタッチの視点〜

中枢神経障害による感覚障害の特徴

中枢神経障害による感覚障害では、識別知覚低下による探索・識別障害、固有感覚低下による手のフォームの障害、物の把持の維持、把持力の調整障害、または運動調節の困難さ、立体覚や固有感覚障害による物体移動のスムーズさの低下などが動作障害として現れます。
中枢神経障害では感覚受容器に問題はなく、脳内の情報処理に問題が生じているため、リハビリテーションでは脳内の情報処理の再構築に焦点を当てています。
中枢神経障害ではデルマトームのような文節性感覚分布が目安になる場合(脊髄・脳幹レベルの障害)と、デルマトームが目安にならない場合(間脳(視床)、大脳半球の障害)があります。間脳(視床)、大脳半球の障害の場合、知覚という点においては、健側においても感覚低下がみられる場合もあります。

アクティブタッチとは

アクティブタッチは複雑で推移的な手指の能動的な触探索・認識のための運動のことをいい、ギブソンが命名したものです。

ヒトは、手で物を巧みに操って生活を営んでいる。対象物の形や大きさにより、触れる手の形、すなわち手の構えが異なり、そのために対象物に触れる皮膚の部分も異なってくる。皮膚や筋・腱・関節から様々な知覚要素が中枢に情報をもたらし、統合され、運動へのフィードバックがなされる。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P127

このような、手が対象物に能動的にむかい、アクションを起こす、「能動的触知覚」は、対象物の形の判断や対象物を認知するときに働く知覚であり、能動的に対象物を手探りする「触探索」が必要になります。
第1体性感覚野の手指領域(ブロードマン1、2、3)にはアクティブタッチの中枢があるといわれています。
手を能動的に動かし対象物を探ると、皮膚の感覚受容器が興奮し、その刺激は求心性に感覚中枢(材質の解析器)に伝わります。手の探索運動では、運動やの働き(運動制御)により、探索運動の大枠が決定します。次に手指の動きが決定し、さらに個々の筋収縮の量などが決まり、対象物に接触することになります。運動により関節、皮膚受容器が興奮すると、その情報は運動の分析器と材質の解析器の両方にフィードバックされます。これらの過程(ループ)が繰り返されることで、手の動きが調整されながら材質の確認が行われていきます。

アクティブタッチの再学習

中枢神経障害において、アクティブタッチの再学習を行うためのBrs-stageの目安はⅢ〜Ⅳです。視覚的な代償訓練(目で自身の身体運動と物の操作のモニタリング)は知覚再教育が んADLの改善に結びつかなかった時に実施します。
順序としては、まず識別知覚の再教育を行って、ある程度可能になった時点で、積極的なアクティブタッチを用いた内容を導入するのが良いかもしれません。識別知覚の再教育については下記の記事を参考にしてください。

happyhealth.hatenablog.com

積極的なアクティブタッチを用いた物品の触覚知覚訓練としては
物品探索:
トレー内に複数の物品(8個程度)を入れ、開眼でひとつずつ取ってその物品名を答えて外に出した後、閉眼でも同様に行い、正答数、把持成功数、全体時間を記録する。

閉眼でのペグ(小)移動:
ペグの落下数と全体時間を記録します。
小さいペグの移動では、どこを把持すると落とさずに持ち上げることができるか、指先でペグの全体像を知覚する必要があります。またペグを把持しながら、他の他の指で入れる穴を探し出さなければなりません。

引用・参考文献