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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

触覚(局在)の理解と検査方法

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触覚の閾値の検査が良好な成績であっても、刺激部位を正確に定位できなければ、触覚を最適に使用できません。今回は、触覚(局在)の理解とその検査方法について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

触覚(局在)の理解と検査方法

触覚(局在)検査の意義

局在能を調べる意義としては、末梢神経損傷の場合、神経が再生する過程において、再生軸索が損傷前に支配していた終末器官へ到達できず、他の部位への終末器官に到達してしまうことがあります(過誤神経支配)。そのため触覚の局在を調べておく必要があります。
中枢神経障害の場合、局在検査は第1体性感覚野(S1)の3b野における体部位再現の機能を調べることになります。
4.31番のフィラメントや音叉による振動が感知できるようになれば、回復した受容器や神経繊維の局在が正しいか調べることが必要になります。

触られた部位を定位するメカニズム

閉眼でも触られた部位を定位するには、末梢の細かな各身体部位が、大脳皮質における局在的な対応関係として描かれていること(皮質において身体部位が再現されている)が必要になります。
第1体性感覚野(S1)の3b野は皮膚からの情報を受けますが、ここには身体部位の機能局在再現地図があります。ここでは外から内側に向い、母指→小指の順序だった配列がみられます。
3b野について、

ニューロンの受容野が小さく、指の部分ごとに指の順序だった再現がある。これは、単に末梢の受容器の受容野がそのまま投射しているためではなく、皮質下あるいは皮質レベルで積極的な抑制プロセスが働いているためである。そのため、閉眼でも触られた部位がどこであるかを特定することができ、その部位を正確に定位することができる。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P31

とあります。
物体の把持や操作においては、触刺激の感知に加えて、刺激部位の正確な定位が必要になります。

 検査方法

使用物品:
セメスワインスタインモノフィラメント(4.31番)、または鉛筆の先についた消しゴム

静的触覚の局在
①被検者は閉眼。ランダムに各検査部位を刺激し、被検者はサインペンなどで刺激点をポイントします。
②結果を検査用紙に写し、局在が不良の場合、刺激点から被検者のポイントした箇所まで矢印で結び、記録していきます。

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出展:知覚をみる・いかす 手の知覚再教育

動的触覚
①各検査部位に近位から遠位方向に1㎝動かした刺激を1回ずつ加え、被検者にそれを再現させます。検者が加えた刺激線と被検者が示した線とのずれや傾きを記録します。

*各検査とも刺激を与えてから、できるだけ早く刺激を感じた部位を示させます。

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出展:知覚をみる・いかす 手の知覚再教育

結果の解釈のポイント

静的触覚の局在では、指腹では3㎜以内の誤差で刺激部位の同定が可能です。
動的触覚の局在では、指では刺激線と平行で、かつ3㎜以内の誤差、手掌では刺激線に対して45°以内の傾きで、かつ15㎜以内の誤差で再現可能です。

 末梢神経損傷では、神経が再生する過程で過誤神経支配が生じることがある。神経が再生し、受容器の再支配が起こったとしても、過誤神経支配が生じていると患者は混乱を生じ、その機能を十分に活用することができない。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P64

また中枢神経疾患では、刺激の感受は可能だが部位の定位が行えない場合や、不正確な定位となることがあります。この場合、第1体性感覚野3b野の体部位再現機能が低下している可能性があります。
どちらの疾患においても、局在が悪い場合には、局在の再教育が必要になります。

引用・参考文献