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動的触覚(閾値)の検査方法の理解

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今回は、動的触覚の検査の意義、検査方法、注意点などについて、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

動的触覚(閾値)の検査方法の理解

引用・参考文献

動的触覚検査の意義

動的触覚は、紙やすりや生地などの材質を識別する機能や、巧緻動作に関与するといわれており、手の機能を適切にするためには従来の静的触覚のみの検査では不十分である。

とあり、動的触覚検査の必要性が言われています。
末梢神経損傷では、動的触覚の受容器や神経単位の損傷・回復状態を調べることが可能です。

 

動的触覚の受容器

マイスナー小体とパチニ小体があります。
マイスナー小体(速順応型(SA)で受容野が小さく、その閾値が低い(Ⅰ型))は2〜9本の神経に支配されており、接触した物体のエッジの鋭さや点字のようなわずかな盛り上がりなどを検出する働きがあります。5〜40cps(cycles per second)の振動に反応し、約30cpsの振動に対して最も敏感に感知します。
パチニ小体(遅順応型(RA)で受容野が大きく、その閾値が高い(Ⅱ型))は60〜300cpsの振動に反応し、約256cpsの振動に対して最も敏感に感知し、手のどこに加わった刺激でも応答します。

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動的触覚による粗さの識別のメカニズム

物体表面材質の粗滑度情報は、マイスナー小体(RA)からのインパルスの放電頻度に変換されて中枢へ伝達されている。マイスナー小体は100cps以下の振動感受性をもち、順応が早くすぐに感受性を失うために、絶えず指を動かして刺激を得る必要がある。したがって、材質を識別する際に指が物体表面をなでるような一定速度の側方走査は、マイスナー小体の感受性を高めるように働いていることが示唆される。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P36

とあります。また、

マイスナー小体の感受性に応じた指の運動を可能にするためには、材質の粗滑度に応じて指と物体表面との摩擦力を調整する必要があり、メルケル細胞からの情報は、一定速度の指走査における一定の摩擦力を自動的に維持するように働いていると考えられる。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P36

とあります。
このことから、凹凸のある表面を指でこすりつけ速順応型の受容器の興奮を起こし、粗さの識別を行います。また適切に興奮を起こすために、遅順応型の受容器により指と表面の摩擦力を調節し、指を押し付ける力がコントロールされます。
自らの手を受容器の特性に応じて動かすことにより、特定の受容器の感受性を選択的に高めて、識別力が発揮されます。

検査方法

検査器具:
音叉(30cps,256cps)

①振動を加える部位が動かないようにします(手指の側面からの固定、タオルを下に敷く)。
②30cps音叉を振動させ、その柄を軽く検査部位に当てます。
*感知できたら正常と記載します。
*感知できない場合、二股に分かれた先端を軽く当て、感知できるかを検査します。
③256cps音叉も同様に検査します。

*時々音叉の振動を止めて、振動を感受しているか反応を確認します。
*30cps,256cpsの音叉を感知できたら、動的触覚の局在を調べます。
*振動覚計を用いれば、定量的に調べることが可能です。

動的触覚の解釈に向けての知識

末梢神経損傷では、より早期に、広範囲に障害されるのは256cpsの振動で、回復は30cpsの振動が先になります。
高齢者の場合、高頻度刺激に対する感受性が低下し、特に250cpsでは感受性低下します。そのため、高齢者に検査を行う場合、加齢の影響を考慮する必要があります。

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