読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

脳卒中における感覚障害と伝導路

【スポンサーリンク】

脳卒中では中枢神経性(大脳、脳幹部)の感覚障害が現れますが、その理解には感覚の伝導路を知っておくことが大切です。それはどの部分に損傷を受けたかによって、障害を受ける感覚に違いがあるためです。今回、中枢神経性の感覚障害の特徴と、感覚伝導路について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

脳卒中における感覚障害と伝導路

体性感覚障害が起こる原因

 外界から来る刺激は、身体表面(皮膚)あるいは身体深部(筋・関節)にある受容器によって感受され、求心性神経繊維(感覚神経)によって大脳の第1体性感覚野(中心後回3a野、3b野、1野、2野)に運ばれる。したがって、知覚情報は、受容器、伝導路、中継核、大脳皮質のどの部分が損傷されても起こり得る。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P80

感覚の中枢神経と伝導路

感覚の中枢神経には、脊髄神経説節以降の二次・三次ニューロンと、皮膚の感覚中枢(第1体性感覚野、感覚連合野)があります。
また伝導路には脊髄視床路と後索・内側毛帯路があります。

脊髄視床路(防御知覚)

脊髄視床路は防御知覚(温度覚、痛覚)の伝導路です。

防御知覚は脊髄に入った後、後覚でニューロンを乗り換え(二次ニューロン)、同一脊髄の反対側の前側索に移り、そのまま視床まで上行する。視床で三次ニューロンに乗り換え、皮質の第1体性感覚野に信号を伝える。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P88

大事なポイントは脊髄視床路は脊髄の前側索に位置していることです。
なお、前索には圧・粗触覚繊維が位置し、側索には温痛覚繊維が集中しています。

後索・内側毛帯路(識別知覚、固有感覚)

後索、毛帯路は識別知覚、固有感覚(運動・位置覚)、振動覚の伝導路です。

脊髄神経節から始まり、後根、後索(内側部が薄束、外側部が楔状束で体部位対応配列がある)を通り、延髄薄束核・楔状束核で二次ニューロンに乗り換えて正中部で交叉し、内側毛帯路を形成する。そして、視床後外側腹側核(VPL)に終止し、三次ニューロンが大脳皮質の第1体性感覚野へ至る。

知覚をみる・いかす 手の知覚再教育 P88

視床の重要性

脊髄視床路、内側毛帯路とも、視床では視床外側腹側核(VPL)に終止します。VPLには前庭感覚や小脳からの入力繊維も入ります。そのため視床の損傷では重度の知覚障害を呈することになります。
この部位の病変は病変部の反対側の顔面、四肢体幹に知覚障害が必発し、固有感覚の障害が目立ちます。
VPLの病変では、視床症候群と呼ばれる不快感を伴う激痛を生じさせます。また視床痛と呼ばれる持続的、発作的な自発痛もあり、音や光でも増悪することが特徴です。

大脳、脳幹部の知覚障害

大脳、脳幹部では伝導路の交叉があり、知覚障害は身体の半側に出現することが多くなります。しかし、左右の感覚繊維は身体中心線上で2〜5㎝重なっているため、身体の中心部に近づくと知覚障害の程度が軽くなる傾向があります。

内包後脚(被核、淡蒼球尾状核視床に囲まれた白質帯)では顔面、上肢、下肢の運動神経と、感覚神経が同じ走行をしているため、重度の知覚障害でけでなく、片麻痺も重く出ることになります。

第1体性感覚野(中心後回3a野、3b野、1野、2野、感覚連合野)は対象物の特徴を識別する感覚中枢であり、識別知覚(立体覚、2点識別覚、局在覚、重量や材質)、固有感覚(運動・位置覚)が障害を受けます(物体の識別や道具使用の拙劣さ)。温度覚の障害はみられない、または軽度になります。

ワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)

ワレンベルグ症候群は延髄外側が侵される解離性知覚障害です。
後下小脳動脈閉塞によって起こり、障害側の顔面、反対側の体幹、上下肢の温度・痛覚障害が生じます。

引用・参考文献