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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

静的触覚(閾値)の検査方法の理解

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今回は静的触覚の検査を行う意義、検査方法、注意点などを文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

静的触覚(閾値)の検査方法の理解

触覚検査(閾値)の意義

触覚の状態を調べるにあたり、筆などで触覚を検査し、鈍麻、脱失というレベルでの検査結果では、具体的な治療方針を立てていくことはできません。触覚の状態を定量的に調べることができれば、回復状態の判断や治療プログラムを立てる事が可能になります。
静的触覚は力を適切にコントロールして物体を落とさず、効率良く、スムーズに物体を操作するために必要です。すなわち、静的触覚には物体を把持するための物体の性状(柔らかさ、硬さ、重さ)に応じた把持力の調節機能があります。
静的触覚検査ではこの機能について調べることになります。
末梢神経損傷の場合、閾値を調べ、その結果を検査用紙にマッピングし、末梢神経の支配領域との比較によりどの神経がどのレベルで損傷されているかの予測を立てる事が可能です。

検査方法

使用物品:
セメスワインスタインモノフィラメント
*臨床では2.83番(緑)3.61番(青)4.31番(紫)、4.56番(赤)、6.65番(赤)を使用します。

①2.83番を使用し、手掌、指、手背と調べ、正常・異常の領域を大まかな範囲でつかみます。
②2.83番で指尖から始め、近位部へと進んでいきます。セラピストは患者の手から2.5㎝の高さから、検査部位に1.5秒かけてフィラメントがたわむまで力を加え(皮膚上で滑らないように)、1.5秒かけて元の位置に戻します。
2.83番、3.61番では同じ場所に3回刺激し、そのうち1回でも応答が得られたら感知できたとみなします。4.56番、6.65番では1回の刺激のみで感知できなければより太いフィラメントに進みます。
*刺激のタイミングを変化させて、患者に予測させないようにします。
③患者が感じる事が可能なフィラメントの番号に応じて、検査用紙に指定された色を使いマッピングしていきます。6.65番が感知できない場合は、赤斜線で示します。

*高齢者、中枢性の障害がある患者で、検査が困難な場合、刺激を加える・加えないをランダムに行い、刺激が加えられたのはどちらかを選択させる方法(二者択一)もあります。
*中枢性障害では、刺激が加えられた後でもその刺激が残る場合があります(刺激残像)。このような時は刺激を加えるまでのインターバルを長くします。
この現象は、皮質損傷によりニューロンの抑制が変化したことによるといわれています。

知覚再教育の指標

末梢神経損傷では、4.31番が感じられると、その箇所の受容器、神経繊維が温存されている事を示唆しています。神経縫合術後では、再生軸索が触覚受容器に到達したことを示唆しています(4.56番、6.65番では再生軸索は回復途上)。2.83番がわかるようになって、ほぼ正常に回復したとみなされます。
中枢性障害では4.31番がわかれば触刺激に対する末梢受容器の興奮と中枢への伝達が行われているといえます。

結果の解釈(Bell-krotoskiによる)

番号

判定

解釈

2.83

触覚正常

触覚と圧覚は正常範囲

3,61

触覚低下

物体の識別、防御知覚、2点識別覚は良好。知覚障害に気づかない事が多い。

4.31

防御知覚低下

手をあまり使用しないようになる。物体操作困難。2

点識別7〜14㎜、知覚再教育開始する。

4.56

防御知覚脱失

ほとんど手を使用しない。視覚の届かない範囲での物体操作不可。外傷予防の指導を開始。

6.65+

赤斜線

測定不能

識別性知覚喪失。痛覚脱失または残存、必ず外傷予防の指導行う。

 

参考文献