自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

手の浮腫の評価、リハビリテーションと自分でできる軽減法

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以前の記事で書きましたが、浮腫は手のアーチを崩す要因となり、浮腫の軽減はリハビリテーションにおいて重要です。今回、浮腫の評価方法と、そのリハビリテーション、また自分でできる軽減法について、文献を参考にまとめていきたいと思います。

 目次

手の浮腫の評価、リハビリテーションと自分でできる軽減法

浮腫の原因と、浮腫が続く事で起こる弊害

浮腫の原因については以前の記事を参考にしてください。

happyhealth.hatenablog.com

浮腫は組織液やリンパ液が組織や組織の間隙に異常にたまっている状態をいいます。
浮腫が改善されずに長時間放置されていると、その部位に繊維性結合組織が増殖します。すると組織が硬化し、関節可動域制限を引き起こす事も考えられ、使いやすい手の状態を保つためにも、できる限り早期に浮腫を取り除くことが必要となります。

浮腫の評価方法

・周径の測定
周径を測定する場合、常に一定の測定部位で測定する必要があります。
浮腫は、その出現により皮膚温を変化させるため、その増減を記録することも一つの方法です。
皮膚表面温度を把握することは炎症や血行状態の予測に役立ち、手の管理のための情報として有用です。通常、指の正常温度は30〜35℃の間であり、30℃未満は血行不良状態となります。その時の気温や室温の影響を考慮するため、健側との比較が重要です。
表面温度がm周囲の皮膚温よりも局所的に1℃以上高ければ注意が必要で、6〜8℃高ければ外傷や炎症の疑いがあります。再接着(切断された組織をつなげること)などでは皮膚温低下もあります。

浮腫のリハビリテーションと自分でできる軽減法の考え方

浮腫は創傷の治癒を遅延させ、感染のリスクも高まります。また運動範囲や運動頻度も低下させることにつながり、筋が短縮した肢位のまま膠原繊維の再形成を招き、運動障害につながります。
浮腫軽減の大原則はできる限り早期に対応することです。手だけでなく上肢全体を見ることが必要となります。
浮腫があると確認できる時には、間質液の容量は30〜50%増大しているため、外見上浮腫がなくなったと判断しても、浮腫の管理は続けていくことが重要です。

上肢挙上と自動運動

上肢を心臓のある位置以上に挙上すると、動脈の圧を減少させることにつながり、またリンパ液や静脈血の排出を助けます。
できる限りリラックスした状態で挙上する必要があり、手関節は中間位から軽度伸展位、手指・手関節を肘より高くし、肘は心臓のある位置よりも高く保持します。
頻度は特に問いませんが、自己管理を進めていく上では意識を高めていく必要もあり、頻度を高く指導することも大切です。
挙上位での自動運動も浮腫軽減に効果的です。

自動運動の効果は脈管内・外の平衡を維持することにより、リンパの流れを増加させたり、毛細血管の圧を低くすることによって心臓へ静脈血を戻すことである。また、個々の腱グライディングの維持、改善と内在筋のポンプ作用にも効果がある。上肢の全関節について、可能な範囲を十分に自動的に動かす。筋の等尺性収縮によっても同様の効果が得られる。

作業療法士のためのハンドセラピー入門 P40

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圧迫

求心性マッサージによる圧迫、間欠的・持続的な圧迫など様々な方法があります。
求心性マッサージでは間質組織の圧迫により、静脈やリンパの流れを促していきます。上肢を挙上させた状態で行い、5〜10分行います。
間欠的圧迫では、圧迫と除去との割合を3:1もしくは4:1に設定し、最低限60〜90秒間圧迫を行います。一般的に上肢では30〜40㎜Hgで行います。
圧迫を用いる際の注意を要する疾患は心臓病の方です。また不安定骨折、外固定装置の装着、急性・全身的な感染がある場合は禁忌となります。
持続的な圧迫は弾性包帯などによって行います。巻き方は常に8の字を描くように遠位から近位に巻くことがポイントです。1時間程度の装着により、その後の運動が行いやすくなります。

紐巻き方

間欠的圧迫法の一つであり、アクリル毛糸などを一本もしくは複数の指や、手全体から手関節にかけて行います。
上肢を挙上させた状態で行い、末梢から近位に巻き上げていきます。5分間維持しながら、求心性のマッサージを加えていくとさらに効果的です。紐を除去した後、運動を行います。1日3〜4回行うことを推奨します。

温熱

ホットパック、パラフィンなどは、軟部組織を温め、組織の損傷のリスクを抑えながら結合組織の伸長性を高めることに有効です。

氷の利用

寒冷刺激が加えられると、その部位の血流が減少し、体液の量が減少します。また組織を収縮させることに役立ちます。

アルコール氷

①1と1/2カップの水と1/2カップの消毒用アルコールを混ぜます。
②ドロドロするまで凍らせます。
③口の締められる袋に移します。
④個体になるまで凍らせます。
⑤凍ったら、冷蔵庫から出し、氷を押しつぶして患部に均等に当たるようにします。
⑥直接皮膚に当てずに、たたんだハンカチや枕カバーなどの布の上から氷パックを当てます。
⑦5分間患部に当てます。
⑧5分以上は当てないようにします。それ以上当てると凍傷を起こします。

作業療法士のためのハンドセラピー入門 P153

ホットパック

①水の中にハンドタオルを浸し、絞ってから口が締まる袋の中に入れます。
②袋の口は完全に閉じずに、わずかに開けておき、3分間ほど温めます。
③タオルか調理用手袋を使って電子レンジからタオルを取り出します。
④乾いたタオルで包み痛みのある関節に当てます。
⑤袋がさめてきたら、タオルを取り出して直接当てます。

作業療法士のためのハンドセラピー入門 P153

交代浴

1.2つの容器が必要です。これは治療したい部分、通常肘まで浸せるように水を入れる物です。容器の一つは、流しあるいは浴槽を利用することができます。
2.快適な高さに容器を置きます。
3.最初の容器には約38〜41℃の温水を入れ、別の容器には約13〜18℃の水を入れます。
4.4分間腕を肘まで温水に浸し、その間、指を開いたり、閉じたりさせます。抵抗を加えるためにスポンジを使うこともできます。同じことを1分間水の中で行います。温水と水を交互に4分間、1分間行い、全部で14〜19分行い、温水で終わります。

作業療法士のためのハンドセラピー入門 P154

温水4分→冷水1分→温水4分→冷水1分→温水4分→(冷水1分)→(温水4分)となります。
手を浸した後に手が熱を持ったり、浮腫がひどくなった場合、指が冷たくて蒼白になった場合、痛みがひどくなった場合などは、交代浴を続けるべきではありません。

引用・参考文献