自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

腰に手を回すと痛い!結帯動作の制限因子と評価

【スポンサーリンク】

結帯動作の制限があると、女性の場合下着の着脱などが行いにくくなったり、トイレの際、後始末が行いにくくなったりします。今回、結帯動作に関する知識とその評価方法、リハビリテーションの考え方を、文献を参考にしながらまとめていきたいと思います。

 目次

腰に手を回すと痛い!結帯動作の制限と評価

引用・参考文献

田口俊哉,国分貴徳:結帯動作にて疼痛を呈した一症例.理学療法ー臨床・研究・教育 16:26−29,2009.

結帯動作と日常生活

結帯動作は肩関節伸展、内転、内旋の動きにより腰に手を回す動作で、日常生活上ではブラジャーの着脱やトイレの後始末(お尻を拭く動作)、背中に湿布薬を貼るなどの動作に関与します。

 

結帯動作の解剖・運動学的特徴

結帯動作について、

母指先端から尾骨から第7胸椎に到達するまでに6.6°しか内旋せず、下垂位から母指先端が尾骨に到達するまでにほぼ最大に近い内旋を行っていること、第12胸椎から第7胸椎の相においては肩甲上腕関節の内旋と外転はほとんど変化が無い事から、この相では肩甲上腕関節運動の限界が示唆されている。すなわち、結帯動作にて母指を尾骨まで到達させるまでの動きを分析し、肩甲胸郭関節における挙上・前傾による代償運動がある場合には肩甲上腕関節に、代償運動がない場合には肩甲胸郭関節に問題がある可能性が高いことが示唆される。

田口俊哉,国分貴徳:結帯動作にて疼痛を呈した一症例.理学療法ー臨床・研究・教育 16:26−29,2009.

とあります。
また結滞動作初期では肩甲胸郭関節の内転、下方回旋の動きが必要。また、それを保証するための体幹の十分な進展が必要となります。
結滞動作は伸展と内旋の複合動作であることから、烏口上腕靭帯を含む上方支持組織と後方要素の柔軟性が関与しています。
関節包に関しては、肩甲上腕関節の下垂位内旋で後上方の要素が緊張するため、後上方関節包に拘縮の可能性があります。
肩上方支持組織(烏口上腕靭帯含む肩上方から前方の組織)は伸展・内転・外旋で緊張が高まります(伸張される)。
制限因子となる筋肉では、烏口腕筋、棘下筋、小円筋、腱板疎部、三角筋前部線維、上腕二頭筋長頭腱、短頭が考えられます。

結帯動作の評価

①結帯動作時の肩甲骨挙上・前傾の代償運動がないかを確認
②肩甲骨内転、下方回旋に制限がないかを確認
③菱形筋の筋機能評価と拮抗筋(大胸筋、小胸筋:肩甲骨外転、前傾、挙上位をとり菱形筋が伸長されやすい)の状態を確認
④烏口腕筋の伸長痛(肩甲骨挙上・前傾による代償運動で、肩甲上腕関節で過剰な伸展、外転、内旋が生じやすい)の確認⑤指椎間距離の測定
⑥後上方関節包の伸長性
⑦烏口上腕靭帯の伸長性
⑧上方支持組織の伸長性
⑨烏口腕筋、棘下筋、小円筋、腱板疎部、三角筋前部線維、上腕二頭筋長頭腱、短頭の伸長性

【スポンサーリンク】
 

後上方関節包の伸長性の評価

評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩関節軽度屈曲、肩甲骨固定
方法:肩関節内外旋中間位から内旋
判定:90度まで達しない場合後上方関節包の伸長性低下の疑いあり
*同時に棘上筋後部繊維と棘下筋横走繊維の筋緊張を確認:筋短縮や攣縮が制限因子になっているか確認する

関節包に関しての基礎知識はこちらの記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

肩関節上方支持組織(烏口上腕靭帯(腱板疎部)、上腕二頭筋長頭)の伸長性の評価

肩関節上方支持組織の癒着では、下垂位での肩関節伸展や内外旋が制限されます。
①肩関節伸展可動域の評価
評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩甲骨背面をできる限り床面に接触させる
方法:肩関節内外旋中間位から伸展
判定:疼痛が生じる角度を計測する

②肩関節下垂位での外旋可動域の評価(1st外旋)
評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩甲骨背面をできる限り床面に接触させる
方法:肩関節内外旋中間位、肘関節90度屈曲位(肘頭は床に接触)で外旋
判定:疼痛が生じる角度を計測する

③指椎間距離
結帯動作にて第7頚椎棘突起から母指先端までの距離を測定する

烏口腕筋の伸長性の評価

評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩関節外転80度、内旋45度、肩甲骨固定
方法:肩関節水平伸展させる
判定:水平伸展30度まで達しない場合烏口腕筋の伸長性低下の疑いあり

棘下筋の伸長性の評価

上部繊維
評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩関節屈曲30度、肩甲骨固定(内外旋中間位で)
方法:肩関節内旋させる
判定:内旋90度まで達しない場合上部繊維の伸長性低下の疑いあり

下部繊維
評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩関節外転90度、肩甲骨固定(内外旋中間位で)
方法:肩関節内旋させる
判定:内旋30度まで達しない場合下部繊維の伸長性低下の疑いあり

小円筋の伸長性の評価

評価姿勢:背臥位
開始肢位:肩関節屈曲90度、肩甲骨固定(内外旋中間位で)
方法:肩関節内旋させる
判定:内旋30度まで達しない場合小円筋の伸長性低下の疑いあり

三角筋前部線維の伸長性の評価

評価姿勢:座位
開始肢位:肩関節外転45度、肩甲骨固定(内外旋中間位で)
方法:肩関節伸展させる
判定:伸展20度まで達しない場合前部線維の伸長性低下の疑いあり

 上腕二頭筋長頭腱、短頭の伸長性の評価

長頭
評価姿勢:座位
開始肢位:肩関節下垂位、肘関節伸展位、前腕回内位、肩甲骨固定(内外旋中間位で)
方法:肩関節伸展させる
判定:伸展30度まで達しない場合長頭の伸長性低下の疑いあり

短頭
評価姿勢:座位
開始肢位:肩関節外転20度、肘関節伸展位、肩甲骨固定(内外旋中間位で)
方法:肩関節伸展させる
判定:伸展30度まで達しない場合長頭の伸長性低下の疑いあり

【スポンサーリンク】