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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

身体認知の障害に対する知識と評価方法

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自分の体の状態に対する認識や、体の位置関係がわかりにくい場合、生活上どのような不具合が起こるでしょうか。臨床においては「ボディイメージが低下している」などいう場合もあります。今回は身体認知の障害について、文献を参考にその知識と評価方法を整理していきたいと思います。

 目次

身体認知の障害に対する知識と評価方法

身体認知の言葉の定義

身体認知とはどういった事をいうのでしょうか。

身体認知とは、身体における全体と部分の存在や状態に関する認識、および各身体部位の相対的な位置関係に関する認識をさす。

作業療法ジャーナル Vol.40 No.7 2006 P655

とあります。
また身体の知識を組織化する過程には、

①身体や身体部位についての語彙、機能に関する知識(言語系)、②各身体部位の位置と全身の構成に関する認識(視空間系・体性感覚系)、③ダイナミックな運動イメージ(感覚運動系)が存在する。

作業療法ジャーナル Vol.40 No.7 2006 P655

とあります。
この過程のどれかが障害されると身体認知の障害が起こる事が考えられ、様々な症状を呈することになります。
身体認知の障害では、運動・動作が拙劣になったり、細い運動が行いにくくなる可能性があります。また自己と他者の身体との区別がつかなくなるといったことも生じえます。

身体認知障害:両側性

身体部位失認

身体部位の局在化や同定ができない症状です。
「肩を触ってください」などの質問に対し正しく反応することができません。
すなわち、口頭命令や指差しなどで問われている身体部位に対して、自己身体や他者身体、あるいは身体図上で指し示したり、同一部位を異なる対象間で再現することが困難になります。
臨床上遭遇する頻度はまれです。
身体部位の空間内配置の認識がうまく行えない状態をいいますが、身体部位の呼称やその役割の説明にも障害がおこるとの報告もあるようです。この場合、言語機能や知能低下なども考慮も入れて判断する必要があります。

手指失認

身体部位失認が手指にのみ起こる症状です。
Gerstmann症候群の徴候に含まれています。

左右見当識障害

自分や他者の身体に関わる左右の定位が困難になる症状です。
上下、前後や、身体以外のものでは左右定位の障害はありません。

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身体認知障害:半側性

片麻痺に対する病態失認

麻痺のある上(下)肢の状態に対する誤った認識がある症状です。
病態失認

販促無視

上(下)肢が不自然な位置にあったり、使用頻度が少ない、使用しないといった症状です。他者からの励ましにより修正が可能です。

意識される身体認知障害

半身喪失感(「手がなくなった」)、半身変容感(「膨れている」)、半身異物感(「熱い鉄の棒がついている」)、半身幻覚・妄想(「手がもう一本ある」)などがあります。

身体認知障害の評価の注意点

 初めは日常生活上の動作観察により、身体部位の使用状況、頻度などについて確認していきます。その際のポイントとして、
①問題となる動作や言動があるか、またその内容
②問題がどのような状況でおこるか
③問題に対する自覚、認識はあるか
④問題に対する修正は可能か(どのような促しや介助が必要か)
などの点を考慮に入れます。

合併している障害の把握

身体認知の障害がある方は、いかに挙げるような障害も併存している可能性があります。
身体機能面では運動障害、体性感覚障害、高次脳機能障害面では全般的な知能低下、失語による言語機能低下、注意障害、視知覚障害、半側空間無視、構成障害などです。
これらに対する検査も行いながら、全体像を把握していきます。

各症状に対する検査

両側性身体認知障害に対する検査

身体部位失認(手指失認):
言語要素を含む検査
身体部位の名称を聞き、自分の体や他者の体の身体部位を指し示す。

言語要素を含まない検査
閉眼で触られた自分の体の部位を、他者の体で指し示す。
他者の身体部位に対応する自分の体の部位を指し示す。

人物画
人物画の採点法に関して、Macdonaldの方法があります。

1. 身体部位全てが描かれていれば4点
 1点:頭部
1点:体幹

1点:正面像では両腕、横向きでは片腕
 1点:正面像では両脚、横向きでは片脚

2. 各部が適切な大きさであれば3点

 1点:頭部が体幹の半分以下か等しい

 1点:少なくとも片腕の長さが、体幹の2倍以上でも1/2以下でもない

 1点:少なくとも片脚が、体幹の2倍以上でも体幹以下でもない

3. 立っている姿あるいは座っている姿が正しい姿勢で描かれていれば1点

4. 体幹と四肢の関係が適切であれば2点

 1点:腕が体幹の上半分から出ている

 1点:脚が体幹の下半分から出ている

正常では合計得点が10点です。

手指失認では言語要素を含むのであれば、閉眼で2本の指に触れ、間に指が何本あるかを答えさせます。言語要素を含まないのであれば、閉眼で触られた自分の手指を、他者の手指で指し示す、などがあります。
他にも、手指の描画も用います。

左右見当識障害:
簡便な検査として、Goodglass、Kaplanの検査があります。

2つの部分(対人的)

 あなたの右手で私の右肩を指してください

 あなたの右手で私の左手を指してください

 あなたの左手で私の左手を指してください

 あなたの右手で私の左耳を指してください

正反応1点、正しいがためらいがある0.5点

2つの部分(自分の体について)

 左手で右耳に触ってください

 右手で右目に触ってください

 右手で左肩に触ってください

 左手で左耳に触ってください

閉眼でできたら1点、開眼0.5点

1つの部分(対人的)

 私の右手はどれですか

 私の左肩はどれですか

 私の左耳はどれですか

 私の右目はどれですか

正反応1点、正しいがためらいがある0.5点

1つの部分(自分の体について)

 あなたの右手はどれですか

 あなたの左目はどれですか

 あなたの左肩はどれですか

 あなたの右耳はどれですか

閉眼でできたら1点、開眼0.5点

半側性身体失認に対する検査

症状に対する自覚:
「何か困っている事はありませんか」

両手動作の観察と、謝りを訂正した際の反応:
バンザイをしてください」、「はさみで紙を切ってください」、「上着をきてください」

これらの検査項目に対して、片麻痺に対する病態失認では、謝りを認めなかったり、無関心を示す場合があります。
半側無視であれば麻痺側の不使用がみられます。運動無視の場合、強い促しを行えば正常動作(正常に近い動作)が可能になる場合があります。

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