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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

プッシャー症状のリハビリプログラムー輪の使用ー

プッシャー症候群

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以前、プッシャー症状のメカニズムが病前の脳プログラムにより生じている可能性があること、そしてリハビリの考え方について述べました(詳細はこちらをご覧ください)。今回は、プッシャー症状に対するリハビリプログラムの実際について、文献を参考に整理していきたいと思います。

 目次

プッシャー症状のリハビリプログラムの実際

非麻痺側支持姿勢の獲得

プッシャー症状の治療においては、非麻痺側で体重を支持する姿勢を獲得していく必要があります。
これには、非麻痺側の側方いっぱいに手を伸ばして物を掴みとろうとする動きが必要になります。
お金を非麻痺側側方へ提示されると、思わずお金に対して手を伸ばします。その際、遠くへ手を伸ばすため、その方向に重心を移動させる脳のプログラムが働きます。
このような、非麻痺側支持姿勢の保持を常に働くようにしていきます。

座位での輪を使用した非麻痺側支持姿勢の促し

使用物品は輪(輪投げの輪など)、輪を入れるポールです。
非麻痺側側方に置いた輪を非麻痺側手で取り、輪をポールへ入れ、それを取り出します。
注意点としては手をポールまで十分にリーチさせること、輪を投げ入れないことです。輪を投げ入れてしまうと、その反動で麻痺側への体重移動が起きてしまいます。狙いは非麻痺側支持姿勢の保持が常に働くことです。

 非麻痺側手で輪を取ろうとして非麻痺側に体重を移しながら非麻痺側臀部・下肢で支持します。非麻痺側で体重を支持した座位や立位姿勢を保ちながら、輪を持った非麻痺側手をさらに非麻痺側に設置したポールの先端にリーチさせます。そして、ポールに輪を通して基部に置きますので、動作中は常に非麻痺側で主に体重を支持し続けることになります。

片麻痺 能力回復と自立達成の技術 現在の限界を超えて P18

 輪を10本1セットとして、1日3〜5セット行えるようにします。
段階付けは以下の図をご参照ください。

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出典:片麻痺 能力回復と自立達成の技術 現在の限界を超えて

プッシャー症状が強い場合、③から始めると非麻痺側支持姿勢が促しやすくなります。
非麻痺側支持にて非麻痺側へのリーチだけでなく、非麻痺側支持にて麻痺側へのリーチも行うことは、更衣動作での座位バランスにつながっていきます。また非麻痺側支持にて麻痺側下方にリーチすることは、床の靴をとる動作につながっていきます。
このように、段階付けされた作業により、日常生活上必要とされる座位バランスの獲得も同時に期待できます。

 立位での輪を使用した非麻痺側支持姿勢の促し

立位でも、座位同様段階付けを行いながら非麻痺側支持姿勢の獲得を図っていきます。
プッシャー症状が強い場合、⑧から始めると非麻痺側支持姿勢が促しやすくなります。
立位姿勢での作業に不安がある場合は、スタンディングテーブルにて臀部固定し実施することもあります。
非麻痺側支持にて麻痺側膝付近へのリーチは排泄動作の下衣操作への獲得につながります。
座位、立位とも、非麻痺側支持が安全に、転倒のリスクなく行えるようになれば、麻痺側支持での作業も行なっていきます。

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出典:片麻痺 能力回復と自立達成の技術 現在の限界を超えて

引用・参考文献