自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

着衣障害あるいは着衣失行の理解とその評価

【スポンサーリンク】

衣服が上手く着ることができない方に対して、どのような原因があるのでしょうか。運動、感覚、高次脳機能障害など様々な要因が考えられます。今回は着衣障害について、高次脳機能面を中心にすえ、文献を参考にしながら整理していきたいと思います。

 目次

着衣障害あるいは着衣失行の理解とその評価

参考文献

高次脳機能障害を有する人の暮らしを支える 作業療法ジャーナル Vol.40 No.7 2006

着衣障害の検査

着衣障害の検査には、日常生活場面での観察や片袖を裏返して渡す方法、たたんだ状態から着衣してもらう方法などがあります。

 

視覚失認による衣服の認知障害

視覚失認があると、衣服を渡されてもそれが何であるのかがわかりません。触ることによって認知可能な場合もあります。
洋服の種類や形を口頭で伝えたり、衣服の特徴を手にとって触りながら感じてもらったり、実際に着る方法を誘導するなかで衣服の認知が可能になることもあります。

視空間失認による衣服の位置関係の認知障害

衣服の左右、前後、裏表など、自分の身体に適合するための衣服の空間的な位置関係がわからない状態です。
また、洋服の各部位の同定が行えず、衣服を操作する時間が長くなるなども観察されます。
ボタンホールとボタンの位置がずれる場合もあります。

【スポンサーリンク】
 

身体失認による自己身体の認知障害

衣服の各部位を自分の身体の各部位にマッチングさせることができない状態です。麻痺側の肩が十分に通っていないのに着衣を終了しようとするなどが観察されます。
健常者では衣服を確認すると、その後は視覚による確認はほとんど行われません。

観念失行による動作、行為の障害

衣服の着方そのものがわからなくなる状態です。衣服の形態に対して不適切な動作を行ってしまいます。かぶりシャツを前開きシャツを着るように肩に回す、上着をズボンのように履くなどが観察されます。

【スポンサーリンク】
 

独力で行えるが十分ではない着衣障害

一人で着衣動作の遂行は可能ですが、何らかの問題が生じる方も観察されます。
動作がスムーズでない、時間がかかるなどの場合、検査上明確な失認が認められるわけではありませんが、軽度の空間認知障害が疑われる可能性もあります。
上着がズボンのすそに一部入っていない場合などには、自己身体に対する知覚認知や、空間操作の障害も疑われます。
注意障害があると、動作が雑になったり、出来栄えがだらしなくなったりします。

新しい学習としての着衣動作

健常者の着衣動作は、身体と衣服との関係を操作・処理する学習された行為ですが、片麻痺や感覚障害などを有する方は、学習された行為としては着衣動作を遂行することが困難になります。そのため、新たに学習しなければならない複雑な視空間処理と動作・手順の課題であると言えます。

【スポンサーリンク】