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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

胸郭出口症候群のにおける上肢の神経、循環障害の知識

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今回は胸郭出口症候群の上肢の神経、循環障害に関する知識を文献を参考に整理してみたいと思います。

 目次

胸郭出口症候群のにおける上肢の神経、循環障害の知識

胸郭出口症候群とは

腕神経叢(神経線維が集合した部分)が圧迫、牽引されることで生じる上肢の神経、循環障害をいいます。
こうした神経、循環障害により上肢のしびれ感などの感覚障害、筋力低下などの運動障害が起こります。そのためデスクワーク中の肩こりや腕のだる重さ、パソコン操作での手指のしびれ感などの原因となることがあります。
胸郭出口症候群はなで肩の女性、いかり肩の男性に多くみられ、頭部前方変位姿勢とも関係しています。

神経絞扼の3部位:斜角筋三角

C5〜T1の神経根は頚椎の椎間孔を出て、腕神経叢が形成され、上肢末梢まで神経線維が続きます。椎間孔を出てすぐの所に斜角筋三角という部分があります。

斜角三角部のトンネルは前方を前斜角筋、後方を中斜角筋、下方を第一肋骨の壁により覆われた空間となっており、この空間が狭くなると腕神経叢の圧迫障害が起こり、神経症状が出現すると考えられています。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P152

頚椎が固定された状態になると、前斜角筋や中斜角筋は第一肋骨を挙上する方向に力が働きます。デスクワークの際によくみられる頭部前方変位姿勢では前斜角筋や中斜角筋が過緊張状態となり、神経の圧迫が起こります。
またこの状態は慢性閉塞性肺疾患COPD)の状態でも起こる可能性があります。強制吸気での胸郭の上方への移動と、斜角筋群(強制吸気の作用)の過緊張が生じやすいためです。

神経絞扼の部位:肋鎖間隙

肋鎖間隙は上に鎖骨や鎖骨下筋、下に第一肋骨で構成される骨性のトンネルです。このトンネルには、鎖骨下動脈、静脈が神経線維とともに通過します。そのためこの部分で圧迫がある場合、上肢の神経障害、循環障害も生じる可能性があります。
この部分の圧迫は鎖骨の下制により起こるため、腕神経叢の圧迫はなで肩の女性に多くみられます。また、野球やバレーボールなどで頭上に腕を上げるスポーツにおいても症状が出ることがあります。

上肢を挙上する場合、鎖骨近位部の挙上と後退、後方回旋が併せて起こり、肋鎖靭帯と呼ばれる第一肋骨と鎖骨間に存在する靭帯や鎖骨下筋が緊張します、さらに、繰り返し行われる挙上動作は斜角筋群を過緊張状態とするため、オーバーヘッドスポーツ利用者の肋鎖間隙部分で腕神経叢が圧迫されます。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P154

このような場合、肩甲骨の下方変位や下方回旋がみられることが多いようです。

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神経絞扼の部位:小胸筋下間隙

小胸筋下間隙は、小胸筋と胸壁との間に構成されるトンネルです。この部分には腕神経叢の神経、鎖骨下動脈、静脈が通過します。
この部分の圧迫は肩外転動作出現しやすくなります。

肩関節を外転すると、烏口突起の下方を走行している神経線維と鎖骨下動・静脈が烏口突起を支点として上向する方向に走行が変わりその結果として腕神経叢と鎖骨下動・静脈に負担がかかる機序が考えられています。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P156

円背姿勢では肩甲骨の外転、下方回旋、前傾により小胸筋が過緊張状態になり、上腕骨の内旋もみられ肩甲下筋も過緊張となります。こうした姿勢から肩外転を行うと、通常は肩甲骨挙上、後退、上方回旋が生じますが、可動域制限により肩甲上腕関節のみ外転するようになります。すると烏口突起下方部分を支点とした神経、血管にストレスがかかりやすくなります。

胸郭出口症候群と循環障害の関係

冷感や浮腫などの循環障害は鎖骨下動・静脈の圧迫が原因とは言えないことが指摘されています。
胸郭出口症候群における循環障害の機序として交感神経との関連が言われています。

上肢の末梢血管を支配する交感神経は、下頸神経節、中頸神経節を形成した後に頸神経と合流し、腕神経叢と吻合し斜角間隙を通過します。
交感神経の興奮は末梢血管の拡張作用がありますが、腕神経叢の圧迫により交感神経の興奮が伝わらず末梢血管が拡張しない状態となり、結果として冷感や浮腫などの循環障害が起こると考えます。

よくわかる首・肩関節の動きとしくみ P158

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引用・参考文献