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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

失語症の評価としてのスクリーニング検査の実際

高次脳機能障害

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失語症の方が目の前にいるときに、どのようにしてその方の症状の程度を把握すればよいでしょうか。失語症の検査には標準化されたものがいくつか存在します。自分が勤めている病院では言語聴覚士が検査を行っているのですが、作業療法士、その他の医療従事者も失語症の方とコミュニケーションをとるうえで全体像を把握することは重要です。そこで今回、失語症のスクリーニング検査の方法を文献を参考に整理していきたいと思います。

 目次

失語症の評価としてのスクリーニング検査の実際

発話の評価とスクリーニング検査

発話の評価では、流暢性、自発性、喚語困難、迂遠表現、錯語、文法構造、内容などの視点で見ていきます。方法は発話を行うための様々な質問を通してスクリーニングしていきます。
①挨拶、調子を尋ねるなどから始め、氏名、住所、職業などを聞きます。ある程度会話可能であれば、状況を見ながら様々な質問など会話を行います。氏名が言えない場合、先頭語のヒントを出してみたり、性を提示して「山田何さんですか」などと聞いてみます。
②数字を順番に数えられることもあるため、途中まで一緒に数え、その後の続きが言えるかを確認します。
③五十音で、「あいうえお」の続きが言えるかを確認します。
④発声がみられない場合、検者が口を動かして発音しながら、構音に対応した口の形を作れるか確認します。

聴覚的理解

聴覚的理解では語の理解、簡単な文の理解、継時的・文法的理解の視点でみていきます。
①「目を閉じてください」に対し従命可能か確認します。この指示を理解できない場合、聴覚的理解は不可能な場合が多いです。
②閉眼ができた場合「ばんざいをしてください」の従命可能かを確認します。質問内容として、「口を開けてください」などは口腔顔面失行との障害の区別がつきにくいため検査としては不適切になります。
③ひとつの語の理解を見ます。「枕を指差してください」「鼻を触ってください」など、単一物品や身体部位の指示を確認します。
④物品を並べ、ひとつずつ物品名を与え、指示させます。
⑤③、④が可能であれば、二段階の従命として、「◯◯を指差してから、△△を指差してください」と命じ、両方可能か、一方のみ可能かを確認します。
⑥簡単な文の理解として、yes/noで答えられる質問をします。「男ですか、女ですか」「ここはホテルですか」などです。
⑦今までの評価で問題がない場合、継時的・文法的理解の評価をします。3つくらいのの物品を並べ、個々の物品の名称に従って指させるか確認します(触ったり手にとってよいことを告げておきます)。
「鉛筆と消しゴムに触ってください」、「鍵で鉛筆に触ってください」、「消しゴムに鍵で触ってください」などです。「◯◯に」が先に来る指示では正しく反応できないこともあります。これらの指示が正答できた場合には、「鉛筆を消しゴムの反対側に置いてから、鍵を裏返してください」というような長い文章を与えてみます。

呼称

①いくつかの物品をひとつずつ示して、「これは何ですか」と質問します。よい反応が得られない場合、先頭語のヒントを出します。日常物品が可能であれば聴診器などの物品の呼称も確認します。
②物品の呼称ができるが、言いたい言葉が出てこない場合、語想起について検査を行います。野菜の名前などをできるかぎりたくさん言ってもらいます。1分間で8〜10個が障害の有無の境界となります。

復唱

復唱可能な長さ、構音の誤り、音韻性錯誤をみていきます。
①内容としては「まど」「つくえ」「国会議事堂」「今日は曇りのち晴れです」などです。

読み、書字

①「時計」などの漢字単語とりんごなどの仮名単語、「目を閉じてください」などの短文の読が可能か確認します。
②新聞が読めるか確認します。
③氏名を書けるか確認します。氏名が書けない場合、他の書字も行えない場合が多いですが、仮名で書けないか確認します。氏名の書字が可能な場合、住所や単語、短文の書字も確認します。

参考文献