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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

失語における聴覚的理解の評価の視点

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失語症における聴覚的理解の障害について、恥ずかしながら自分は理解があいまい、理解不十分というような程度でしか評価の視点がありませんでした。今回は、失語における聴覚的理解の評価の視点について、文献を参考にしながら整理していきたいと思います。

 目次

失語における聴覚的理解の評価の視点

語音の認知

ひとつずつの音、または連続する音を正しく聞き取ることができない症状です。

復唱が正しくできる場合は語音認知が成立していると考えられ、少なくとも仮名1文字の書き取りができれば独立した語音の認知は可能と推定できる。一方、復唱や書字が障害されている時には、語音が同じか違うかの異同弁別成績が認知の手がかりとなるが、語音認知が保たれているという判断はなかなか難しい。語音の認知は、聴覚的理解の入り口であるので、その障害は語や文の理解も低下させる。ただし、語としてのまとまりや文脈が理解を助ける場合もある。

高次脳機能障害学 第2版 P26

語の理解

語の聞き取りについては可能と推定されるが、その意味がわからない症状です。
レベルは様々で、日常物品の名称を聞いても選択できないレベル、使用頻度の低い、または抽象語の理解が低いレベルもあります。
たとえ正答できても、時間がかかったり迷ったりする場合は異常とみなします。
検査方法としては、複数の物品や絵を提示して、聴覚的に聞き取った名称に当てはまるものを選択する方法が一般的です。ただし、この方法では聞いたものを選択する過程があるため、課題の理解が正しいか、他に課題遂行の阻害要因はないかという点に注意する必要があります。

簡単な文の理解

失語では語の理解障害がある場合に、文の理解障害があるとは限りません。
「目を閉じてください」は文ですが、失語症の方の実行できる方も多いです。
またyes/noで答えるクローズな質問も、理解においては易しい課題になります。
クローズな質問に対して答えることができれば、失語症の方の意思を確認する手段となりえます。

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継時的・文法的理解

継時的・文法的内容を含む文を聞き、その内容に合った動作を行う課題を通してその理解度を検査します。
内容として、「◯◯を指してから、△△を指してください」<「◯◯で△△に触ってください」<「◯◯に△△で触ってください」の順に難易度が高くなります。他にも、「◯◯の上に」、「◯◯の逆側に」などの理解も把握できます。yes/noで答えられる文と、その長さが同程度でも、文の理解は難しくなります。

呼称

物品、またはその絵を提示して名称を言えるかどうかを見ていきます。
表出に関わる何らかの問題があれば呼称障害の原因となりえます。構音障害や音韻性錯語の影響も考慮し、喚語されているか判断する必要があります。

復唱

復唱では表出に関わる何らかの問題があれば復唱障害の原因となりえます。そのため構音障害や音韻性錯語の影響も考慮し、復唱が行えているかを判断します。
語音の認知が障害されても正確な復唱は行えません。
語や文の理解と復唱能力は必ず関連するわけではありません(乖離する場合あり)。
長い文章においては、聴覚的把持能力の影響も考慮に入れます。

読み、書字

失語では読みと書字も障害を受けることがあります。
聴覚的理解と比較し漢字の意味理解が良好な場合や、発話障害があっても漢字で意味的に近い表現を行える場合もあります。

引用・参考文献