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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

半側空間無視の病巣についての理解

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半側空間無視は、中大脳動脈領域の後半部、もしくは全域の脳梗塞でよく見られます。昔から側頭ー頭頂接合部付近が病巣部位として言われていましたが前頭葉、側頭葉、視床、内包後脚、基底核など様々な部分でも起こりえます。そこで、今回は半側空間無視の病巣について、文献を参考にしながら整理していきたいと思います。

 目次

半側空間無視の病巣についての理解

側頭ー頭頂接合部

この部位では下頭頂小葉が重要と考えられており、とくに下頭頂小葉のうち角回が責任病巣となります。

下頭頂小葉と下前頭回後部は上縦束(ⅡとⅢで結ばれる)。また内包後脚は視床と下頭頂小葉とを連絡する繊維を、内包前脚は視床前頭葉帯状回とを連絡する繊維を含む。下頭頂小葉または前頭葉の皮質・皮質下病巣は上縦側を損傷し、また、視床との連絡繊維も損傷する。このため、空間性注意のネットワークの広範な機能低下により、半側空間無視が慢性化しやすい。下前頭後頭束の病巣も半側空間無視発現に一部関与すると思われるが、それのみで無視が起こるかどうかは明らかでない。

高次脳機能障害学 第2版 P165

前頭葉

頭頂葉前頭葉病巣も含むと半側空間無視は重症化、慢性化しやすくなります。
前頭葉のみの病巣でも半側空間無視は起こることがあり、この場合は下頭頂小葉に比べ、程度は軽い場合が多くなります。
部位としては、背外側面後部の下方、その深部が広く損傷された場合が多くなります。前頭葉内側面(帯状回含む)では半側空間無視がみられることはまれです。

視床基底核

視床梗塞よりも視床出血例に半側空間無視がみられることが多くなります。
視床の中でも、視床枕との関係が大きく、後大脳動脈領域梗塞で視床後部の穿通枝梗塞を伴う場合に生じやすくなると考えられています。
基底核では被殻の役割が大きく、尾状核も関与しており、出血例で半側空間無視が多くみられます。

側頭葉

上側頭回が関与するという報告もありますが、異論もあるようです。後大脳動脈領域の梗塞において、側頭葉内側部の海馬傍回が病巣に含むことが重要とされているようです。

皮質下白質

深部白質の病巣部位としては、内包後脚、外側膝状体、視放起始部を損傷する前脈絡叢動脈領域です。
これには、頭頂葉前頭葉を連絡する上縦束と、下頭頂小葉の縁上回の重要性が言われています。また上縦束を含む側頭頭頂領域と前頭葉外側を結ぶ白質との関連も言われています。

半側空間無視の3要素と病巣の関係

1つ目の要素は線分二等分試験などと関連のある知覚性、視空間要素です。
2つ目の要素は対象中心、物体中心の要素です。3つ目の要素は抹消試験などの探索的、視覚運動要素です。
これらと病巣の関係について、

第1の要素、知覚性/視空間性要素の無視は右下頭頂小葉の縁上回付近の病巣と関連した。第2の要素、対象中心/物体中心の要素の無視は右側頭葉の海馬傍回に中心を持ち、中側頭回に向かって白質内に伸びる病巣と関連した。第3の要素、探索的/視覚運動性要素の無視は、右下前頭回、より前方の背外側部前頭前皮質、中前頭回後部と関連した。

高次脳機能障害学 第2版 P166

と言われています。

参考、引用文献