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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

BIT行動性無視検査日本版(BIT)の検査項目の特徴と結果の捉え方

高次脳機能障害

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半側空間無視の検査方法のひとつに、BIT行動性無視検査日本版(BIT)があります。今回、BITの各検査項目の特徴と、その結果の捉え方について、文献を参考に整理していきたいと思います。

 目次

BIT行動性無視検査日本版(BIT)の検査項目の特徴と結果の捉え方

BIT通常検査における半側空間無視の捉え方

BIT通常検査の6つの下位検査項目での合計得点に対するカットオフ点は131点です。検査取り組みへの集中力維持に問題がない場合、131点以下では無視が確実に存在すると言えます。132点以上でも下位検査項目のひとつでもカットオフ点以下のものがあれば、無視があるかもしれません。慢性期で左側探索を代償的に行おうとする場合には、右側や全体に見落としがある場合があります。
BITでは抹消試験の比重が高いため、カットオフ点以下になった下位検査項目数が1〜2を軽度、3〜4を中等度、5〜6を重度とする分類もあります。
軽度症例では、模写試験、文字抹消試験、星印抹消試験が無視を検出しやすくなります。重症度に関わらず、線分抹消試験の検出率が最も低くなります。

BIT行動検査における半側空間無視の捉え方

BIT行動検査では一つでもカットオフ点以下のものがあれば無視の存在を考える必要が有ります。
検査では無視の存在がはっきりしていても、慣れた生活場面での適応が可能な場合もあるため、ADL場面での観察評価が大切になります。また、検査で少しでも異常がある場合、慣れない場面やiADL場面において、問題やリスクが発生しやすくなる可能性があるため、注意が必要になります。
半側空間無視の特徴と症状や、視野障害との関連については、以下の記事を参照してください。

happyhealth.hatenablog.com

happyhealth.hatenablog.com

抹消試験

①線分抹消試験
BITでは線の全体の範囲を示してから抹消を始めますが、刺激の範囲を示しても、この程度では無視は消失しません。
軽度例では左下の見落としが多くなります。一度印をつけた所に再度印をつける例も存在します。

②選択的抹消試験
文字抹消試験では重症例では開始点が左端にならない場合や、右から印をつけて左側を見落とす場合があります。また左から開始できても、通り過ぎて見落とすこともあります。文字抹消検査では負荷が高く、左側に加えて右側の見落としが生じやすくなります。
星印抹消試験では軽症例では左下に見落としが多く、文字抹消試験ほどではありませんが、中央や右側にもみられます。

線分抹消試験が最も易しく、選択的抹消試験では負荷が高くなるほど見落としが増えます。
無視のリハビリテーションを受けた維持期の患者の場合、代償的な左探索行動が起こる一方、右側に注意が向かず、見落としが右側に起こる場合もあります。
BITには制限時間がないため、時間をかければすべて抹消できる可能性も考えられます。そのため、健常人の所要時間を参考にすると良いでしょう。

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出典:高次脳機能障害学 第2版

模写試験

模写は結果の左右差に注目します。左側の脱落が典型的な無視です。立方体の模写では右側の構成が良好であるが、左側の脱落や誤りがあれば無視と言えます。立体的な構成ができず、左右差がはっきりしない場合には、他の検査結果からも判断していきます。
BITでは模写が正しく書けているかで採点しますが、左右の結果に重み付けをした採点法もあります。
立方体透視図では、無視と言語性知能低下により低下しますが、無視の重症度においては左側の正しい頂点の数と負の相関があると言われています。

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出典:高次脳機能障害学 第2版

描画試験

時計の描写では、右側に時刻の数字を集めるように書き、左側に空白が目立つ場合、言語性知能低下が関係していると言えます。一方、右側の時刻は正しい配列だが左側の時刻が脱落している場合、無視が関係していると言えます。
無視があっても言語性IQが90以上の症例では、12→6→3→9と基準になる時刻を書いた上で、残りの時間を埋めていくことで正しい配分が可能なことがあります。
BITでは左右バランスの観点で正しく書けているかで採点しますが、左右に重み付けした採点方法もあります。
描画では脱落は左側の一部になることが多く、人の顔では輪郭の中で目が向かって左の位置に偏ることが多いです。

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出典:高次脳機能障害学 第2版

線分二等分試験

BITの採点方法の他に、日本人健常人における正常値があります。臨床的に半側空間無視を検出する場合にはBIT線分二等分試験が検出率が高くなっています。

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出典:高次脳機能障害学 第2版

参考文献