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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

認知症をもつ人の被害妄想と所属の欲求のつながり

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認知症をもつ人にあらわれる事がある症状として、被害妄想(物盗られ妄想)が挙げられます。物盗られ妄想は、物がないという直接的な被害の訴えがあるという見方の他に、被害を訴える事で「所属の欲求」が満たされるという見方もあります。
今回は、被害妄想と「所属の欲求」について文献を参考にしながら考えていきたいと思います。

 目次

認知症をもつ人の被害妄想と所属の欲求のつながり

人間の欲求段階

被害妄想と所属の欲求のの関係性を考える前に、人間の欲求段階について知っておく必要があります。
人間の欲求段階とは、心理学者のA・H・マズローが唱えた「欲求段階説」に基づく考え方です。人間は5つの欲求段階に分けられると言われています。

①生理的欲求
生命維持のために必要な欲求で、食事、睡眠、排泄などがあります。
②安全の欲求
安全性、経済の安定、良好な健康状態、予測可能な秩序だった状態などがあります。
③所属の欲求
社会的に必要とされている、果たせる社会的役割がある、人間関係があり、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという欲求です。
家族、友人、会社、生活している地域・コミュニティーなど誰かとの関係性を確認できることを意味しています。
④承認の欲求
他者から価値のある存在と認められ、承認されたいという欲求です。
自己実現の欲求
自分の能力を最大限発揮し、創造的な事をしたいなどという欲求。

被害妄想と所属欲求のつながり

通常被害を訴える被害者がいるとき、加害者も存在します。そこには被害者と加害者という他者との人間関係が存在することになります。家族、ケアをする者など、身近にいる人を加害者として訴えるのには、その人の事を頼りにしていたり、その人との関係性を無くしたくないとの考えの表れだとも解釈できます。
このように、所属の欲求に基づく見方で捉えると、被害妄想も変わった視点で捉える事が可能になります。

被害妄想を訴える人は、どのような人間関係を満たしたいのか

新たな人間関係が作られることで、被害妄想が軽減したという例があるそうです。
例えば、ケアする側の人が認知症をもつ人に生活の知恵やその方法を教えてもらったりすることで、教えてもらう側と教える側の関係ができる、もしくは今まで本人が卑下していた関係性が対等になるといったことが起こります。
このような新しい関係性ができあがると、所属欲求が満たされやすくなります。また、場合によっては承認の欲求も満たされる可能性もあります。
認知症をもつ人が満たしたい人間関係を考えることが、被害妄想軽減へのヒントとなるかもしれません。