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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

日常生活活動の自立支援を助ける動作分析の考え方

リハビリ 介護予防

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先日、和歌山県で開催された第36回近畿作業療法学会に参加し、その際作業療法士の佐藤孝臣氏の講演を聞く機会がありました。内容の一部にあった、自立支援を考える上での動作分析の考え方が大変参考になったため、今回紹介していきたいと思います。

 目次

自立支援を助ける動作分析の考え方

動作を各工程に分ける

日常生活活動の自立支援を助ける動作分析のためには、まずその動作を各工程に分ける必要があります。各工程に分けることでどの工程の、どの部分に行いにくさがあるのか、また自分でできることは何かが把握できるようになります。
入浴動作を例にとり動作を各工程に分けてみます。

①移動:脱衣所までの移動。
②衣服着脱:脱衣所での衣服の着脱。
③浴室移動:浴室内での移動。
④掛け湯
⑤またぎ動作
⑥浴槽内姿勢:浴槽に浸かる時の姿勢保持
⑦洗身
⑧洗髪
…となります。

個人因子と環境因子から動作ができない要因を検討する

またぎ動作を例にとり動作ができない要因を考えていきます。
①個人因子
身体機能ー下肢筋力低下ー生活不活発病
           ー疾患由来
           ー低栄養
           ー歯の噛み合わせ
    ー関節可動域制限

認知機能ー認知症
    ー視力
    ーうつ病

環境因子ー物的要因ー風呂場の環境ー浴槽の高さ
                ー手すりの有無

人的要因ー家族の介助ー家族の過介護
          ー本人が依存的

このようにまたぎ動作一つに対して、中項目、小項目含めると12項目もの検討するべき因子があることがわかります。

原因の特定と、対応方法

ある活動の各工程における、動作が行いにくい原因が把握できたら、次はその対応方法を検討していきます。

下肢筋力低下
①生活不活発病
生活不活発病とは、不活発な生活や安静でおきる、全身のあらゆる器官・機能に生じる心身機能の低下をいいます。この場合、運動機能の向上も含めて、生活スケジュールの組み立てなども考慮する必要があります。個々の症候にのみ働きかけるよりも全身の機能低下として捉える事も大切です。

②疾患由来
疾患由来で筋力低下などの機能低下が起こっている場合には、医療機関との連携が必要になります。その方が急性症状でそのような状態に陥っているのかなど、疾患の知識と観察力も必要です。

③低栄養
低栄養状態では血液中のタンパクが低下する低アルブミン血症を引き起こします。それにより骨格筋の筋肉量の低下や筋力低下がおきやすくなります。
この場合栄養状態の改善が必要となります。

④歯の噛み合わせ
歯の噛み合わせの悪さは、咀嚼力の低下を招き、そのことが食欲低下につながってしまうことが考えられます。そのため、入れ歯が自分にあったものであるか、嚥下機能も含めて口腔機能の向上が必要となります。

風呂場の環境
①浴槽の高さ
浴槽の高さが高くてまたぎ動作が困難になっている場合には、福祉用具の検討が必要かもしれません。浴槽縁に設置するタイプの手すり、すのこを敷くことでまたぎ高を調整するなどです。

②手すりの有無
手すりをとりつけることで動作の改善が図れる場合、その方にあった手すりの位置や高さを検討した上で、住宅改修を考える必要があります。

家族の介助
①家族の過介護
家族の過介護が原因で、その方の動作が行いにくくなっている可能性があります。または介助をしすぎることにより、その方の機能や能力を奪ってしまっていることも考えられます。この場合、家族に対する適切な介助方法の指導が必要となります。

②本人が依存的
本人が依存的な場合、動作を行える能力があるにもかかわらず、介助に頼ってしまっていることが考えられます。この場合には、自分で動作を行うことで身体機能が維持できることなど、本人にとって有益な情報を説明することにより、依存性を取り除いていく必要があります。