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リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

筋攣縮、筋短縮の評価とその治療指針

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前回、筋攣縮と筋短縮についての知識をまとめました。今回は筋攣縮、筋短縮を評価によって見極める方法、その治療における介入の指針を、文献を参考にしながら示していきたいと思います。

 目次

筋攣縮、筋短縮の評価

参考文献

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圧痛初見

攣縮した筋肉の場合、筋細胞外に発痛関連物質が出され、高閾値機械受容器やポリモーダル受容器の閾値が低下し、圧痛に対して侵害刺激として受容され、圧痛を認めることが多くなります。
短縮した筋肉の場合、組織変性が進み筋肉が伸びにくくなっているが、組織としては安定した状態を保てているため、圧迫に対する閾値が高く圧痛を認めにくくなっています。

 

伸張位、弛緩位の筋緊張

攣縮した筋肉の場合、脊髄反射で持続的な筋肉の痙攣が起こっている状態であり、どの関節肢位にも関わらず、筋緊張は高くなっています。そのため、筋肉を短縮位でも緊張は高く、伸張位とするとさらに緊張が高くなり痛みが発生しやすくなります。
短縮した筋肉の場合、筋肉の伸張性が失われている状態であるため、伸張位になると筋緊張は高くなります。逆に短縮位となると筋肉は弛緩し、筋緊張は低くなります。

筋力低下、等尺性収縮時痛

攣縮した筋肉の場合、筋実質に萎縮は認めませんが、筋肉の生理的な機能障害のために筋力がうまく発揮できず、結果として筋力の低下を認めます。また血管のスパズムにより静脈還流が停滞し、その結果筋内圧が上昇します。すると、攣縮筋に強い等尺性収縮を行うと筋内圧がさらに上昇し、痛みが出現しやすくなります。虚血を伴う筋攣縮ではその痛みがより目立ちます。
短縮した筋肉の場合、著明な筋力低下はなく、筋内圧の上昇もありません。そのため短縮筋に強い等尺性収縮を行っても、筋内圧の上昇はおこらないため、痛みは発生しません。

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筋攣縮、筋短縮の治療指針

反復性等尺性収縮

基本的に、筋攣縮には筋緊張の緩和、筋短縮には筋の伸張性の獲得を目指していきます。
等尺性収縮が筋肉に与える影響としては、筋腱移行部に効果的な伸張刺激が入ることにあります。
筋肉は、筋腹を中心として両端に腱があり、腱は骨についています。そのため、関節を固定せず筋収縮を行うと両端の腱は筋に引きつけられます。一方、関節を固定したまま筋収縮を行うと、両端の腱を中心として引きつけます。このとき腱の伸張性は乏しく、筋収縮した分の不足している長さは筋腱移行部で負担することになります。

ゴルジ腱器官とⅠb抑制

等尺性収縮を行うと、筋腱移行部への伸張刺激の発生によりゴルジ腱器官が反応し、Ⅰb繊維群に興奮が伝えられます。脊髄レベルでは抑制性の介在ニューロンを介し主動筋のα運動繊維を抑制します。また拮抗筋のα運動繊維を興奮させます。この機序により筋の弛緩を得ることができます。
ゴルジ腱器官の閾値は低く、軽い伸張刺激でも反応するようです。
以上のことより、攣縮筋では等尺性収縮を反復して行うことで筋弛緩が得られ、伸張に対する抵抗が改善されます。

筋節増加、合成と筋の伸張性

筋腱移行部に伸張刺激が入ると、筋フィラメントの再合成を促進することがわかっています。筋が適度に伸張された肢位での等尺性収縮では筋腱移行部に効果的な伸張刺激を加えることができ、筋節の再合成を促すことが可能になります。さらに、持続伸張を加え、筋膜の柔軟性を改善させることも必要になります。

筋ポンプ作用による筋内発痛物質の排除

反復的な筋収縮により筋ポンプ作用が働き、筋内の血液循環、リンパ液還流を促すため、筋内浮腫の改善や発痛関連物質の排除、筋緊張の緩和に有効となります。

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