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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

腱板断裂の原因・病態と治療のまとめ

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今回はリハビリテーション対象疾患である腱板断裂の原因と病態、治療について文献を参考にしながら知識を整理することにしました。

 目次

腱板断裂の原因・病態と治療

腱板について

腱板とは、回旋筋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれる棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋と4つからなる筋肉群の総称です。回旋筋腱板は肩関節を動かす際、肩甲上腕関節の関節運動を誘導したり、肩甲上腕関節の安定化に寄与したり、上腕骨頭の前後への偏位を防いだりと、肩関節の安定化に関与しています。
各腱板筋の特徴と機能についてはこちらをご参照ください。

happyhealth.hatenablog.com

腱板断裂とは

腱板断裂とは、上記で説明した回旋筋腱板のうち、特に棘上筋に多く見られ、40代男性に多いと言われています。
発症の原因は様々で転倒などの外傷、上肢の使用頻度が高い職業、また特別な原因がなく骨から腱板停止部が剥離してしまうこともあるようです。

完全断裂と不完全断裂

腱板断裂の病態には完全断裂と不完全断裂に分かれます。

 

腱板断裂を考えるために必要な解剖学

断裂の多い棘上筋は、棘下筋との連結があり、ひとつのユニットとして機能していることがわかってきています。
棘上筋の後部は薄い膜状で、その上に棘下筋の斜走繊維が覆うように走行しています。
斜走繊維の上方部分は腱性部で、棘上筋と密接しています。またその部分は烏口上腕靱帯が挟み込こんでおり、ひとつのユニットとして機能していると考えられています。
棘上筋の筋内腱は大結節前方に停止しているため、棘上筋後部の断裂が起こっても、前方部分が残存していると棘上筋はその働きを保てます。
腱板の停止部分は、上腕骨頭と腱板中枢部からの血行供給における血管の吻合部があり、critical zoneと呼ばれる変性を受けやすい部分となっています。

腱板断裂が起きるメカニズム

腱板断裂を誘発するストレスとして、腱板への突き上げ、捻れ、伸張の3つのストレスが関与しています。
突き上げストレスは上腕骨頭が上方に偏位することで腱が肩峰と衝突し損傷するものです。
捻れストレスは上腕骨頭内外旋等の回旋運動により肩峰下で腱が挟み込まれることを言います。
伸張ストレスは上腕骨内外転時に短縮伸張を繰り返すことにより腱が損傷をうけるものを言います。
加齢による腱板停止部の変性に加え、上記のストレスが繰り返し起こることで腱板は損傷されやすくなります。

整形外科的治療

腱板断裂は約7割が保存療法(非手術)にて症状の軽快が期待できると言われています。
大結節の棘下筋、棘上筋腱付着部は血行に乏しく断裂部の自然回復は困難です。
手術療法には関節鏡視下手術、直視下手術の2つがあります。関節鏡を用いる場合は手術での傷口が小さく、術後の痛みや負担が小さく、関節可動域の獲得も早期に期待できます。その一方で筋力や機能回復は直視下手術に比べ劣る傾向にあります。
直視下手術では断裂した腱板の強固な固定が可能で、術後の筋力、機能の回復が良好です。その一方傷口は関節鏡手術に比べ大きく、術後の合併症を伴う確率が高くなります。
術後は約4週間外転装具にて肩関節外転位に保つことが必要です。