自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

失行のリハビリテーション基本指針

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以前失行のリハビリテーションの知識の整理をしました。今回はリハビリテーションにおける基本指針の考え方を文献を参考にしながら示していきたいと思います。

 目次

失行のリハビリテーション基本指針

失行と日常生活動作

失行の一般的特徴として以前から言われてた事として
①道具使用のパントマイムは困難な課題課題
②パントマイム不可でも道具の使用は行える事もある
③検査場面で失行があっても、日常生活では目立たない
というような認識がありました。

しかし、失行と実生活の影響について

食事動作については、最終的には食べるという目的を達成できても、失行検査の成績は食事の手順や食器の使用方法の誤りと相関するという。失行患者の介助量は、入浴、トイレ動作、整容で多かったが、失行と移動、更衣での介助量に関連はみられなかった。更衣については、片麻痺がないか軽度で従前の方法が使える場合は、失行があっても更衣はできる。一方、片麻痺があって新しい代償性方略を見出さなければならない時、失行が障害となる。

高次脳機能障害学 第2版 P76

と述べています。

失行におけるリハビリテーションの目標

言うまでもなく日常生活における様々な行為の改善です。道具の使用のパントマイムなどの失行検査の課題の改善が、日常生活動作の改善と関連があるかはよくわかっていないようです。
失行では日常生活場面で行為が容易になるため、訓練で改善が見られた行為が日常生活上でも改善する可能性はあります。

失行へのリハビリテーションアプローチ

失行に関するリハビリテーションアプローチとして

①行為の想起と遂行
道具や対象物の写真、行為を行う状況、文脈、ジェスチャーの一部を提示して行為を想起させ、道具や対象物の実物の提示、行為の手本などの手がかりで遂行を補助する。

②フィードバック
誤反応をフィードバックし修正する。表3の誤反応分類に基づいて、外的形状と内的形状に分けて、1つずつ誤反応を修正するのがよいという報告がある。誤反応の修正は、言語性に誘導する方法と徒手的に誘導する方法がある。意図的遂行が困難という失行の特徴に基づいた考え方では、徒手誘導が有利に思える。しかし、上肢や手の向き、関節運動の方向や大きさをわかりやすく言語化した誘導も行われる。

③代償的方略
日常生活動作で重要な行為を言語化し、それに従って遂行できるように訓練し、自発的に(内的に)言語化する代償を習得する。あるいは外的に絵を用いて代償する。

高次脳機能障害学 第2版 P77

の3つが言われています。

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失行リハビリテーションの効果

失行リハビリテーションの効果としては、介入直後の日常生活行為の優位な改善は認められるが、長期効果のエビデンスは認められていないようです。
重度の失行がある場合や、比較的軽度の失行でも家事動作などを困難にさせる場合もあります。道具の持ち方が適切に行えない場合、危険物(刃物など)の取り扱いには注意し、環境設定も重要になります。