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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

ローテーターカフ(回旋筋腱板)の知識と評価

肩関節

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最近肩の勉強をしています。ローテーターカフ(回旋筋腱板)は肩のインナーマッスルで、深い位置に走行している筋肉群の総称です。その主な役割は肩関節を安定させることにあります。五十肩や腱板断裂などの、肩関節の痛みの原因にもなる筋肉です。今回はローテーターカフの知識を整理し、その評価方法も示していきます。

 目次

ローテーターカフ(回旋筋腱板)の知識と評価

各腱板の機能

◯肩甲下筋

筋内腱と呼ばれる腱線維があり、およそ5つの区画に区別される。
上部線維:小結節上部に停止し(舌部)、烏口上腕靭帯や上関節上腕靭帯と連結する。上腕骨を屈曲、外転、内旋させる。肩挙上開始時に棘上筋と共同して作用する報告あり中部線維:小結節前面に停止。60度肩外転位での肩内旋に作用
下部線維:下方関節方に停止。外転120度からの内転、内旋に作用。筋性部は下部線維に豊富で、拘縮治療に重要。下関節上腕靭帯(前方線維)との連結もあるため、下部線維の筋収縮は関節包を牽引する効果があると考えられている。

*筋力評価では、大胸筋の収縮を軽減できるリフトオフテストでおおまかな筋力測定可能
*90度屈曲位内旋は大円筋が強く作用する

◯棘上筋

棘上筋は上腕骨大結節、小結節に付着する。最前部の腱性部は上腕骨頭中心より前方の大結節前縁に停止するため、肩外転、屈曲、内旋の作用がある。外旋作用は後方線維が担う。90度以上の挙上動作において上腕骨は外旋し、起始停止の位置は離れていくため棘上筋の収縮効率が最も高まるのは外転90度までとなる。機能評価は外転30度、トレーニングは外転90度で屈曲、外転、内旋方向に動かす(強力な腱線維が大結節前方につくため)。

 ◯棘下筋

大結節に付着。横走線維、斜走線維があり、横走線維は斜走線維に停止し、斜走線維の筋収縮を補助する役割がある。斜走線維の上部は腱性部、下部は筋性部で、大結節上面外側に棘上筋と重なり付着しており、共同して外転運動に関与している。筋性部は関節包に付着しており、関節拘縮、特に結帯動作を行う際には棘下筋の伸張性が重要になる。外転45度から筋活動が増加し棘上筋の筋活動が弱まる90度以降で作用が強くなる。筋力評価は腱性部では肩関節屈曲90度、肩外旋での水平伸展、筋性部は外転90度での外旋運動で評価する

④小円筋

大結節下面に付着する。停止部に近づくほど2つの線維に分かれており、上部線維は主に腱性部。下部線維は筋性部で、棘下窩から起こり、上腕骨外科頸に停止する。小円筋は後方関節包のへ付着しており、外旋運動時の関節包の挟み込み防止と肩挙上時の上腕骨頭の後方部分での支点形成の役割がある。拘縮肩では小円筋の圧痛所見とリラクゼーション後の可動域拡大の即時効果が見られやすい。筋力評価は上部の腱性部は3rd内旋位からの外旋で行い、下部の筋性部は1st内旋からの外旋で行う。

回旋筋腱板の機能評価

回旋筋腱板の機能不全があると上腕骨頭の関節窩上での滑り運動と転がり運動が適切に行われなくなる。

◯sucapular plane上45°挙上、内外旋中間位で挙上抵抗運動を行うと、関節窩に対して骨頭が上昇する現象が起こる。
肩峰と上昇した骨頭の間に回旋筋腱板が挟まれ疼痛を誘発することもある(impingement)。

 ◯sucapular plane上45°挙上、内外旋中間位から肩甲上腕関節を水平内転させた肢位:前方関節包弛緩するため骨頭の安定性に肩甲下筋の作用が必要

 ◯sucapular plane上45°挙上、内外旋中間位から肩甲上腕関節を水平外転させた肢位:後方関節包弛緩するため骨頭の安定性に棘下筋、小円筋の作用が必要

 

評価方法:

上記肢位で挙上抵抗運動を行い骨頭の変位を観察する

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 (出典:動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践)

・回旋筋腱板を構成する筋は全て肩甲骨に付着するため、上肢挙上運動中の回旋筋腱板の機能は、肩甲骨の運動の影響を受ける

・上肢挙上により肩甲骨が下方回旋する場合(肩甲骨の不安定性)、回旋筋腱板の機能不全が二次的に生じることあり

・検者が肩甲骨を上方回旋位に保持して抵抗を加え、骨頭の上方変位が消失する→肩甲骨の不安定性が回旋筋腱板の機能を阻害している

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(出典:動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践)

参考文献