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自分でできる体健やかブログ

リハビリ専門職(作業療法士)の私が、肩こり、肩の痛み、腰痛、膝痛、骨盤トレーニングなど、「自分でできる」をキーワードに対策方法を伝授します。

夜寝ている時に肩が痛くなる、夜間痛の原因と対処方法

夜間痛

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肩に痛みがある方で、特に夜寝ている時に肩が痛くなる「夜間痛」の症状をしばしば目にします。今回、「夜間痛」に関する知識の整理と、その対処方法をまとめていきます。

 目次

肩の夜間痛の原因とその対処法

夜間痛とは

夜寝ていると肩周辺が痛くなり、目が覚めてしまう方をしばしば目にします。夜の痛みは睡眠を妨害し、日中の集中力や生産性の低下を招いてしまうため、非常にやっかいな症状になります。
この症状を夜間痛と呼んでいますが、はっきりとしたメカニズムは解明されていません。しかし、いくつかの考えられる原因はあります。

考えられる原因①:肩峰下圧の上昇

まず「肩峰下」とは、肩峰、烏口肩峰靭帯、烏口突起から成る烏口肩峰アーチの真下の部分になります。

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出典:よくわかる首・肩関節の動きとしくみ

この「肩峰下」の圧力の上昇が夜間痛の第一の原因として考えられています。
圧が上昇する要因としては、肩峰下滑液包の炎症、回旋筋腱板(棘上、棘下、小円、肩甲下筋)付着部の炎症、腱板筋の高緊張などがあります。
また関節包が分厚くなり、線維化することで関節包内部の容積が減り、それが肩峰下圧上昇に関与している可能性もあります。

考えられる原因②:上腕骨内圧の上昇

2つ目の原因は、「上腕骨内圧の上昇」です。その名前の通り、上腕骨内の圧力が上昇することを意味しています。
上腕骨には栄養を供給する2つの血管、前・後上腕回旋動脈が存在しています。前回旋動脈は上腕骨の前側を走行しており、その周囲には肩甲下筋があります。また後上腕回旋動脈は上腕骨の後側を走行しており、その周囲には棘下筋、小円筋があります。
この肩甲下筋、棘下筋、小円筋が高緊張である場合、上腕骨を通る動脈、静脈が圧迫されることになります。動脈は圧迫に対して強いために問題を起こしませんが、静脈は圧迫に対して弱さがあるため上腕骨内部に血液が溜まってしまいます。この状態が上腕骨内圧を上昇させる要因となるのです。そのことからも、肩甲下筋、棘下筋、小円筋などの腱板筋がリラックスしていることが夜間痛改善の対策として挙げられます。

夜間痛の対策:寝ている時の肩のポジションを考える

寝ている姿勢での肩のポジショニングを考えることで、夜間痛を軽減できる可能性があります。
仰向けで寝ている場合、肩甲骨は自分の体とベッドで挟まれることになりその動きは制限されてしまいます。また肩甲上腕関節は重力の働きで床方向に下り(伸展)、外旋(上腕骨が外に回旋する)します。この状態では腱板の付着部や烏口上腕靭帯なども伸ばされる位置となりストレスがかかりやすくなってしまいます。すると関節包内の圧力調整に関与している孔(穴)が閉ざされてしまい、その結果関節内圧が上昇してしまいます。

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このことから、就寝時の肩のポジショニングとしては、肩甲上腕関節を適度に伸展、外旋させない(強制内旋も不可)ことが重要になります。そうすることで筋や靭帯が過度に伸ばされず循環状態が良くなり夜間痛の軽減が期待できます。この時にもう一つ重要になるのが肘のポジショニングです。お腹の上にもクッションを置き肘を曲げることには様々なメリットがあります。
一つは肘を曲げることで肩から肘にかけての血管や神経などにゆとりができ、末梢への血液循環が良くなります。また肩甲骨の前方傾斜が軽減することで小胸筋がリラックスでき、その結果前上腕回旋動脈に対する前からの圧迫が少なくなります。そして肩甲下筋も適度に短くなるため、背面の圧力が軽減され、さらに循環状態が良くなることが痛いできます。

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参考文献